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桜問題スクープするも自分たちが散りそうな共産党

11/19(火) 11:30配信

JBpress

 (筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

■ 「桜を見る会」は廃止すべき

【写真】4月13日に開催された首相主催の「桜を見る会」。炎上は「菊を見る会」に飛び火するのか。

 内閣総理大臣が主催する公式行事の「桜を見る会」に、多数の安倍晋三首相の後援会員が招待されていたことが明らかになり、来年(2020年)は中止することが決まった。この問題を最初に暴露したのが共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」日曜版であった。これが国会でも取り上げられた。

 この会への招待基準として、安倍内閣は「内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている」と閣議決定した答弁書を出している。

 これでは基準がないのと同じである。恣意的な選定が可能だからだ。

 この会の公開された写真などを見ても、“このタレントがどんな功績、功労があったのだろうか”と思うような人が招かれている。ましてや安倍後援会から850人などというのは、あってはならないことだ。こういう安っぽいことを抑制する高潔さを保つのが首相という立場なのではないのか。

 私が参院議員時代に、招待があったのか、なかったのか記憶に残っていないが、招待状くらいは届いていたかも知れない。もちろん何の関心もなかったし、行きたいとも思わなかった。桜の花など新宿御苑に行かずともどこでも見ることができる。今年など1万8200人もの人が出席したそうだが、桜を見るのではなく、人を見るために行くようなものだ。こんなことのために数千万円もの貴重な税金を費消する必要はない。こんな会はそもそも廃止にすべきだ。

■ 「党の危機」の率直な吐露

 さて、「桜を見る会」問題を追及して一気に政権打倒へと気勢を上げる共産党だが、共産党自身はきわめて厳しい状況に置かれている。

 共産党は来年1月に第28回党大会を開く。その議案が11月初めの中央委員会総会で決められた。議案は3本だ。(1)綱領の一部改定案、(2)第一決議案(政治任務)、(3)第二議案(党建設)となっている。

 「党建設」というのは、共産党独得の言い方である。これには大きく分けて2つのことが含まれている。1つは党員を増やし、「しんぶん赤旗」の読者を増やして、党の勢力を大きくすることである。2つ目は、かつては「思想建設」という言葉を使っていたこともあるが、最近は「『量とともに質を』の立場をつらぬく。全党が、綱領学習と科学的社会主義の古典学習に取り組むことを、日常の気風とする」(第27回党大会決議)という言い方がされているように、党員の理論的・思想的強さを鍛えることである。

 少し横道にそれるが、「綱領学習」というのがなんの矛盾もなしに使われているところが共産党らしさでもある。党の綱領というのは、共産党によれば全党の民主的討論を通じて、全党の英知を結集して作られたものということが建前になっている。それなのにその学習が大事だというのだ。なぜか。全党での民主的討論などなされていないからだ。党大会の議案や綱領案も、せいぜい3割程度しか読んでいないのが実態である。したがって民主的討論も、全党の英知の結集も不可能なのだ。現在の綱領は2004年に策定されたものだ。第27回大会は2017年に行われた。綱領策定後13年経っても、全党員が読んでもいないし、その内容を理解していないのだ。

 「科学的社会主義の古典」とは、『資本論』や『共産党宣言』などを著したドイツのカール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルス、ロシア革命の指導者ウラジミール・レーニンなどの著作を学ぶということだ。社会主義理論の初歩とも言えるのがマルクスとエンゲルスの共著『共産党宣言』なのだが、これすら読んだこともない人が共産党の国会議員になっているのが現状なのだ。

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最終更新:11/19(火) 12:15
JBpress

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