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アマゾンのオンライン薬局、本格展開か

11/19(火) 13:35配信

JBpress

 米アマゾン・ドット・コムはここ最近、ヘルスケア事業に注力しているようだ。米CNBCの報道によると、アマゾンは処方薬のネット販売を手がける傘下企業、米ピルパック(PillPack)のブランド名に「バイ・アマゾン・ファーマシー(by Amazon Pharmacy)」を加えた。

■ 全米に処方薬を宅配

 ピルパックは、ニューヨーク州やテキサス州、フロリダ州、アリゾナ州、ニューハンプシャー州に配送拠点を構えているが、それらの管轄機関への届出事業者名も同じく変更したという。

 アマゾンは昨年、ピルパックを約8億ドル(約900億円)の現金で買収した。ピルパックはその名が示すとおり、処方薬を一包化(1回の服用に必要な複数の薬を1袋にまとめる)し、曜日や服用時間帯ごとに分けて提供している企業。患者が医師からもらった処方箋をネットで受け付け、包装済みの処方薬を全米に宅配している。

 アマゾンは買収の際、今後もサービス内容に変化はなく、従来のブランド名や仕入網を維持していくと述べていた。しかしCNBCによると、まもなく顧客に届けられる薬の包みや印刷物にも「アマゾン・ファーマシー」が表示されるという。

■ バイスプレジデントに昇格させる人事

 もう1つ興味深い点がある。同社はピルパックの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のTJパーカー氏をアマゾンのバイスプレジデントに昇格させた。

 アマゾンで、バイスプレジデント職に就任する人事は大きな出来事であり、しばしばジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)がその決定に関与しているという。

 パーカー氏は、アマゾンのベテラン幹部でバイスプレジデントのネイダー・カバーニ氏の直属部下だったが、今はアマゾン北米部門担当シニアバイスプレジデントのダグ・ヘリントン氏の直属。このことは、アマゾンにとってピルパック事業の重要性が増していることを示しているとCNBCは伝えている。

■ 今年10月にもヘルスケア企業を買収

 アマゾンの医薬、医療分野に向けた取り組みについては、これまでもさまざまに伝えられている。今年10月には、ヘルスケアサービスを手がける米国の新興企業「ヘルス・ナビゲーター」を買収したとCNBCやロイターが報じた。

 ヘルス・ナビゲーターは診断や重症度判定を遠隔で行うツールなどを開発、提供している企業。遠隔治療を手がける医療サービス企業などを顧客に持つ。

 また、昨年は患者の電子カルテなどの情報を分析し、治療の向上に役立つ重要なデータを抽出するソフトウエアを販売するとウォールストリート・ジャーナルなどが報じた。

 (参考・関連記事)「アマゾン、400兆円の医療市場に向けた新戦略」

 アマゾンには「1492」と呼ぶ、医療技術開発チームがある。米メディアによると、ここでは、電子カルテや遠隔治療などを研究しているほか、AIスピーカー「Amazon Echo」用医療アプリの開発も行っている。

 (参考・関連記事)「アマゾンの「アレクサ」、英国で健康情報を提供」

小久保 重信

最終更新:11/19(火) 13:35
JBpress

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