ここから本文です

日本株、ここへきて「暴落シナリオ」を警戒すべきワケ

11/19(火) 8:01配信

現代ビジネス

「楽観的」すぎるアナリスト予想

 2020年3月期の中間決算も大方が出そろい、足元の企業業績の実態が見えてきた。一言で表せば、「想定より酷い」状況である。

【実名公開】ヤフーとLINE、ここからの大再編で「危なくなる会社」の名前

 東証一部上場銘柄のうち、1~3期を本決算とする企業を集計すると、全体で8%程度の減益(今回はすべて純利益ベース)という有り様だ。

 特に足を引っ張っているのは、ここ数年継続している米中貿易摩擦の悪影響を直接的に受けた、製造業や資源などの「景気敏感」と呼ばれる業種だ。上半期の対前年比の数字は20%程度の減益で、日本株市場の収益の足を引っ張っている。

 一方で、内需や必需品を中心とした「ディフェンシブ」と呼ばれる業種は概ね堅調で、5%増益とそれなりである。

 そして、この結果は数字としてはすんなりと理解できるところだ。

 たしかに、米中問題は部分合意の解決の糸口が見え始めたとはいえ、関税撤廃に至るまでは先が長く、世界経済の見通し自体も製造業の統計を中心に弱い状況が続いており、業績が悪いのは当然だ。

 その反面、米国を中心に雇用や消費は堅調なことから、日本においても同様に内需が底堅いことへの違和感はない。

 ここで問題となるのは、アナリストの予想が楽観に過ぎる点だ。

下期以降に「大幅増益」って…?

 コンセンサス予想を集計すると、今期の着地は東証一部で2%の増益を見ている。実態とは真逆だ。

 そして、問題の景気敏感についても、-2%とわずかに減益を予想しているが、現状の2割減益からすると大幅に上方にかい離している。米中貿易摩擦の迅速な解決、もしくは急速な円安の進展でも織り込んでいるのだろうか。

 反面、ディフェンシブについてはやや保守的で、1%の増益という控えめな見立てである。こちらは、前述のように消費増税の駆け込み需要に対する反動減の発生を見越してのことかもしれない。

----------
図:東証一部、景気敏感、ディフェンシブの業績と通期コンセンサス(11月12日時点)
----------

 また、この楽観的な収益予想については、テクニカルな理由もある。

 特に製造業については、昨年後半に米中貿易摩擦の悪影響が実態経済へと顕在化したため、実績の発射台が低い状態にあるのだ。

 具体的な例を挙げれば、製造業の雄であるトヨタと、昨今米中貿易摩擦の関連で名前が頻繁に上がるFA関連の大手ファナックの前期の純利益の推移を見ると、第1四半期を1とした場合、たしかに第3、第4四半期に大きく落ち込む場面が見られる。

----------
トヨタ、ファナックの前期業績の推移(第1四半期=1)
----------

 この点を考慮し、さらに米中貿易摩擦の解決期待およびそれに伴う景気の反転、そして円安進行などを織り込めば、下期以降に大幅な増益が実現できるというわけである。

1/3ページ

最終更新:11/20(水) 20:16
現代ビジネス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい