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「足の速さ」は才能、遺伝だけではない ボルトに学んだ“陸上未経験者”が挑む「走り革命」

2019/11/19(火) 11:03配信

THE ANSWER

「足が遅いと諦めている人たちは、みんな大きな伸びしろを秘めている」

 日本では、速く走れるのは才能や遺伝だと信じられてきた。しかし和田は、実体験を通してそれが誤りであることを知った。

 ジャマイカへ行くまでは、誰からも速く走る方法を教えてもらったことがなかった。日本では幼稚園から駆けっこが始まるが、小中学校へ進んでも何も教わらずに「よ~いドン」が繰り返されるだけだ。その中から比較的足の速い子が陸上部に入り、コーチから経験的な指導を受ける。逆に和田のように、陸上部に入らないアスリートは、速く走るテクニックを知らないまま選手生活を終えていく。

「足が遅いと諦めている人たちは、みんな大きな伸びしろを秘めているんです。バッティング練習を一度もしていない人が、初めからセンスがないと諦めている。あるいは、リフティングを一度もしたことのない子が、きっと才能がないと思い込んでいる。そういう状態なんです」

 それなら自分が伝道し、日本に「走り革命」を起こしたい――。和田は、そう決意した。

(第5回へ続く)

[プロフィール]
和田賢一(わだ・けんいち)

1987年12月8日生まれ。日本のビーチフラッグス第一人者でビーチフラッグス全日本選手権3連覇、世界最高峰の全豪準優勝。走力を磨くために単身ジャマイカに乗り込み、3か月間ウサイン・ボルトとともにトレーニングを積み、100メートルのベストを一気に1秒更新。誰でも速く走れる「走り革命理論」を確立し、トップアスリートをはじめ日本中へと広め、走ることの成功体験を通じ、子供が夢に向かって一歩を踏み出す勇気を届ける講演を行っている。

加部 究
1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

加部 究 / Kiwamu Kabe

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最終更新:2019/11/19(火) 11:03
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