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ヤフー・LINEの経営統合で迫られる、「稼げるアプリ」の取捨選択

11/19(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 ヤフーとLINEが18日に記者会見し、経営統合を正式発表した。会見では「対等の精神」という言葉が強調されたものの、LINEは実質的にソフトバンクグループ入りすることになる。8000万人を超える顧客基盤を持ちながら収益化に苦しむLINEと、自慢の営業力でサービスの収益化が得意なソフトバンク。統合の過程で、両社のサービスの取捨選択でひと悶着がありそうだ。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)

● 「大きなことを一緒にやろう」 川邊社長が新年会でラブコール

 「大きなことを一緒にやろう」――。

 Zホールディングス(HD、旧ヤフー)の川邊健太郎社長兼CEO(最高経営責任者)は、副社長だった数年前から、LINEの出澤剛社長兼CEOにこうラブコールを送っていた。話を持ち掛けるのは、年に1度の個人的な新年会の席上だ。いつもは「相手にされず、笑ってすまされた」(川邊社長)。だが、季節を少し遅らせて開催した今春の新年会では、反応が違った。「そうでしょうね。話してもいいかもしれませんね」。出澤社長がこう応じたことで、日本のIT業界を揺るがす統合話が動き出した。

 ソフトバンクグループでZHD傘下のヤフーと、メッセージアプリ運営大手LINEが経営統合することで18日に基本合意した。ZHDの親会社のソフトバンクと、LINEの親会社である韓国ネイバーが50%ずつ出資して合弁会社を設立。その傘下にZHDを置き、ヤフーとLINEを子会社にする。12月に統合に関する最終契約を締結し、2020年10月の統合完了を目指す。

● 「できなかった課題を解決しないと意味がない」 “100%賛成”した孫正義氏の助言

 両トップの会合がきっかけとなり、6月中旬から親会社のソフトバンクやネイバーを交えて提携の可能性を協議し、8月上旬に経営統合へと検討内容が発展した。9月にはソフトバンクグループの孫正義会長兼社長に、川邊社長が経営統合案について説明している。その場で、孫会長は「100%賛成だ。日本やアジアのために、スピーディーに進めるべきだ」と賛同。そして、「ユーザーのためになることをしないと誰からも支持されない。両社が一緒になり、今までにできなかった大きな課題を解決しないと意味がない」と助言したという。

 8200万人のユーザーを抱えるLINEは、従来は自前路線を貫き、スマートフォン上であらゆるサービスをワンストップで手掛ける「スーパーアプリ」を目指していた。

 今回心変わりした理由について出澤社長は、「グローバルなテックジャイアントという競合の存在と、AI化のスピードへの危機感があった。LINE一つであらゆることが実現できるスーパーアプリ戦略をとってきたが、時間と共に強いプレイヤーが出てくる。今手を打って次のステージに進むべきと思うことがトリガーになった」と説明する。

 会見では実際には社名こそ名指ししなかったものの、統合後のZHD&LINEの規模と、米アルファベット(グーグル)やアマゾン、フェイスブック、中国アリババ、テンセントの時価総額や営業利益などの数字を比較。「現状で2社が一緒になっても、営業利益や従業員数、研究開発費はけた違いの差。ネット産業は人・カネ・データが強いところに集約してしまう、強いところがもっと強くなる産業構造だ」と出澤社長は危機感を露にした。

 経営統合のシナジーについて、ヤフーには約6700万人のユーザーと300万社の法人顧客が、LINEには8200万人のユーザーと350万社の法人顧客がいることをアピール。「重複ユーザーはいると思うが、LINEは若年層でスマホアプリでの利用、ヤフーはシニア層でPC利用という補完関係にある」と川邊社長は説明した上で、「最大のシナジーは両社のサービスだ。ヤフーにはメッセージアプリがないがLINEは国民的なメッセージアプリ。一方でLINEはeコマースにそれほど注力していないがヤフーは頑張っており、お互いに補えるシナジーがある」と強調した。

 一方、キャッシュレス決済の分野では、お互い火花を散らす競合だ。「LINEペイ」は14年にサービス開始したが、昨秋デビューしたソフトバンクグループの「PayPay(ペイペイ)」が支払額の一部を還元する「100億円キャンペーン」を連発して猛追。LINEペイも今年5月に「300億円祭り」で対抗し、体力勝負の消耗戦に突入している。

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最終更新:11/19(火) 10:45
ダイヤモンド・オンライン

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