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サッカーU-22日本代表はコロンビア戦完敗、堂安と久保を孤立させた“戦犯”の名は?

11/19(火) 5:59配信

デイリー新潮

東京五輪は不安だらけ

 11月17日、U-22日本代表(以下日本)として初となる国内戦で、U-22コロンビア代表(以下コロンビア)と対戦した日本だったが、前半こそ0-0でしのぎきったものの、後半立ち上がりの2分に失点すると、14分にも追加点を奪われて0-2で敗れた。

 日本の次の試合は12月28日、長崎で開催されるジャマイカ代表戦。「東京五輪に間に合うのだろうか」と不安を抱いたのは私だけではないだろう。

 堂安律と、A代表招集後は初めて久保建英がチームに初めて合流したコロンビア戦だったが、決定機は後半36分に堂安のタテパスに抜け出した小川航基が放った左ポスト直撃の1回だけ。同年代にも関わらず、コロンビアの老獪な試合運びに完敗し、課題山積の国内初ゲームとなった。

 森保一監督は「国内初の試合ということで、絶対に勝って期待してもらおうと臨んだが、勝たないといけないが、プレッシャーになり、硬い入りで相手にペースを握られた」と敗因を語ったが、それを修正する能力が日本には欠けていた。

 立ち上がりの日本は3-4-3のシステムで、堂安と久保を「3」の両サイドに置いた。2人がボールを持ったら、本来ならウイングバックの「4」のアウトサイドの菅原由勢と菅大輝は彼らを追い越して攻撃参加しなければならないのに、どちらかというとボールウォッチャーになっていた。このため堂安と久保は孤立する場面が多く、複数の選手に囲まれてボールを奪われていた。

 日本の攻撃が活性化したのは後半17分に4-2-3-1にシフトし、堂安をトップ下に置いてからだった。これで堂安と久保の距離が近くなり、2人のコンビでコロンビアの右サイドを崩すシーンが増えたことは、数少ない収穫と言える。もしも彼らをサイドに置くのなら、トップ下には2人の関係性を活性化できる南野拓実をオーバーエイジ枠で起用すべきだろう。

 ただし不安もある。海外組の招集は代表ウィークに限られているため、12月28日の試合や来年1月に開幕する東京五輪アジア最終予選に呼ぶことはできず、カタールW杯アジア2次予選が再開される3月まで待たなければならない。限られた日数でいかにコンビネーションを高めていけるのか、森保監督にとっても頭の痛いことだろう。

 中盤の構成も日本のウィークポイントだ。田中駿汰と中山雄太のボランチコンビは、DFラインからパスを引き出すものの、それを前の選手につなぐだけで、ゲームを作っているとは言いがたかった。今回招集されたメンバーを見ても、サイドの突破を得意とする選手が多い。やはりここにはオーバーエイジ枠で柴崎岳が欲しいところだ。

 最後にこの試合で一番の課題として上げたいのが、「攻守の切り替えの速さ」だ。日本は呼吸が合わずパスミスをしたり、コロンビアの選手に囲まれてボールを取られたりしていた。サッカーにミスはつきものなので責めることはできない。問題はその後で、「奪われたら奪い返す」姿勢に欠けていた。「奪われたら奪い返す」のは、システムや年代に関係なく現代サッカーに求められるプレーである。

 堂安自身も試合後は「球際で負けすぎていた。誰かがやってくれるだろう、誰かが守ってくれるだろうと、そういうふうに見えた。自分も全然、体を張るシーンが少なかった。そこはチーム全員が持つべきところ」と課題として指摘していた。

 コロンビアは高い位置でも自陣近くでも、囲って奪ったら素早くカウンターに結びつけていた。本来なら日本がやらなければならないサッカーを演じていたと言ってもいい。

 前日の会見で森保監督は「金メダルを目指すと選手には伝えた」と明かした。そのためにも選手には、昨夏のロシアW杯ラウンド16の日本対ベルギー戦、「ロストフの悲劇」をいつも心に留めておいてプレーしてほしい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年11月19日 掲載

新潮社

最終更新:11/19(火) 12:57
デイリー新潮

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