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伊藤若冲の作品を京都で新発見! 辻惟雄先生が驚きとともに動画で解説

2019/11/19(火) 17:00配信

CREA WEB

 18世紀の江戸中期に京で活躍した天才絵師・伊藤若冲。

 この度、若冲の若い頃の作品が新たに発見されました。

 縦110センチ、幅68.8センチの手漉き紙に、絵の具と墨を使って、蕪と鶏を描いた着色画の「蕪に双鶏(そうけい)図」。

 30代初めから半ば頃の作で、現在知られる若冲作品の中でも最初期のものです。

 日本人が古来、お手本とした中国画には蕪を画題に描いた作品はありますが、蕪と鶏の組み合わせは珍しく、若冲オリジナル。

 若冲には、当時は珍しかった舶来種のウチワサボテンと鶏を描いた70代半ばの代表作もあり、唯一無二の組み合わせで作品を構成する独自性は、すでにこの頃から備わっていたようです。

 初期の絵画学習法として、庭に数十羽の鶏を飼い、数年の間、その姿を観察して写生したというエピソードを持つ若冲ですが、鶏はライフワークともいえる画題で、85歳でなくなるまで、生涯を通して鶏の表現にこだわり続けました。

 一方の蕪は、青物問屋の主人だった若冲にとっては身近な存在であり、また野菜は自身の経済力を支える、敬愛すべき対象。

 つまり、「鶏」も「蕪」も、若冲にとっては、特別な画題なのです。

 作品を所蔵する福田美術館の学芸課長であり、作品発見者の岡田秀之氏はこう説明する。

「特に、頭から首にかけて、羽を細かく丁寧に表現しています。蕪の葉や下草の描写には不慣れなところがあり、技術的には未熟な部分もありますが、後の若冲を特徴づける精緻な表現へのこだわりが見られます」

 一部が朽ちて色あせた蕪の葉のそばでくつろぐ雌鶏と、雌鶏に猛烈にアピールするかのように首を大きく下に向け、おどけて派手な動きを見せる雄鶏。

 この牧歌的な情景は、若冲の愛した動植物たちが穏やかに暮らす、平和な楽園なのかもしれません。

 「蕪と双鶏図」は2020年3月より福田美術館で開催の「若冲誕生 ―葛藤の向こうがわ」展にて公開予定。

「若冲誕生 ―葛藤の向こうがわ」

会期 2020年3月20(金曜・祝日)~6月21日(日)会場 福田美術館所在地 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16開場時間 10:00~17:00(最終入館16:30)休館日 火曜日(5/5 火曜日開館、5/7 木曜日休館)料金 1,300円https://fukuda-art-museum.jp/

Yumi Kageyama

最終更新:2019/11/28(木) 14:35
CREA WEB

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