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宝くじ高額当せん者の末路 「ギャンブラーの誤謬」で悲劇も

2019/11/20(水) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 為替相場などが、何日間か連続して下落した後には、そろそろ上昇しそうだという気がするかもしれない。しかし、経済学的にも、数学的にも、それを裏づける合理的な根拠は何もない。

 ハウスマネー効果と、ギャンブラーの誤謬が組み合わさると、投機上の悲劇が起こりやすくなる。こうした悲劇は、古くから発生しており、小説やテレビドラマ、映画等で何度も繰り返して描かれてきた。

 投機を始めるときには、心の中で、苦労して稼いだお金と、幸運で得られたお金の間に、仕切りを入れておいたはずだ。それなのに、投機で損をしてしまうと、「どうせお金に色はない」として、都合よくその仕切りを取り払ってしまう。同時に、損は続かないとする根拠のない自信が、さらなる投機を後押しする。

 宝くじの場合も、投機と似た心理が生まれやすい。

 たとえば、過去に100万円の当せんをしたことがあるとしよう。それ以降、当せんがなくても、ギャンブラーの誤謬により、次回こそ当せんするだろうという気持ちが高まっていく。ハウスマネー効果により、100万円までの宝くじの購入はさして気にならない。そして、ついに購入額が100万円を超えて、生活のために蓄えてきたお金に手をつけて……。

 こうしたことは、冒頭で述べたように、人の性格・個性と言えるだろうか。有史以来、さまざまな時代に、さまざまな国で、似たようなことが繰り返されてきたことを踏まえれば、多かれ少なかれ、人が誰でも持っている心情と見るべきだろう。

「金に目がくらむ」という言い回しがある通り、お金を前にすると、人は誰でも心が乱れがちになる。性格・個性と言う以前に、本来、人は金銭的な誘惑に弱い存在だ。

 宝くじなどに多額のお金を投じるときは、ハウスマネー効果やギャンブラーの誤謬を思い出して、理性を取り戻すことが必要だろう。宝くじをほどよく楽しむには、お金の持つ魔力に振り回されないよう、一歩引いて冷静に決断することが大事だと思われるが、いかがだろうか。

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最終更新:2019/11/20(水) 11:11
NEWS ポストセブン

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