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U-22日本代表の完敗が突きつけた日本サッカーへの違和感の正体

11/20(水) 13:13配信

footballista

10月の親善試合では、王国ブラジルを敵地で撃破。母国開催の五輪に向け意気上がるU-22日本代表チームだったが、11月17日の試合ではホームでコロンビアに0-2で敗れた。スコア以上の完敗と評されたピッチ上で何が起こっていたのか。そして、この試合が浮き彫りにした日本サッカーの根深い問題とは。 東大ア式蹴球部の山口遼ヘッドコーチに分析してもらった。

文 山口 遼(東大ア式蹴球部)


 ツケが回ってきた。そんなふうに思わずにはいられない。

 東京五輪開幕が半年後に迫り、直近の試合ではブラジル代表に逆転勝ち。さらには堂安律や久保建英といったA代表のメンバーも今回合流するということで、にわかに高まっていたはずの期待とボルテージが、今回の試合で一気に「平熱」へと戻ってしまう、そんな内容であった。

 まずは試合で起きていた現象を分析していくが、本当の問題はより深いところにあるような気がしてならない。かねてから抱いていた日本サッカーに対する違和感を最後に少しだけ述べたいと思う。

3バックについて

 U-22日本代表は、A代表とは異なり一貫して[3-4-2-1]をメインのシステムとして使用してきており、今回も久保と堂安をシャドーに配置した[3-4-2-1]を用いて試合に臨んだ。しかしながら、その完成度はとても3バックをずっと用いて戦ってきたチームのものとは思えなかった。

 3バックのシステムでは、3枚でピッチの横幅をすべて管理するのは実質的に不可能なので、守備時にはウイングバック(WB)がDFラインに加わり実質的な5バックを形成することになる。そのため、一般的に4バックとはかなり異なったロジックに基づいてチームを動かすことになる。その特徴を整理しながら試合を振り返ろう。

1.WB(場合によっては左右のストッパー)の縦スライド

 まずは守備について考えていく。すでに述べた通り、守備時には実質的に5バックを形成する3バックのシステムでは、DFラインの横スライドは容易に行える一方で、そのまま守備をしていたのでは前線のプレッシングの人数が不足してしまう。これでは前線の選手に負荷が偏り、攻撃時にパワーを使えないという弊害が生まれてしまう。

 そのため、3バックでプレッシングを行う場合にはWBが縦にスライドし、大外のレーンを管理するのが一般的だ。これにより、前線の5枚のユニットは中央を閉めて方向を制限することに集中できる上、消耗も抑えられる。この際、縦にスライドしたWBの裏のスペースは左右のCBがスライドしてSB化することで埋めるのが定石である。5バックから1人縦スライドしたとしても4枚のDFが残っているので、ピッチの横幅は問題なく管理できる。ゆえに大胆な横スライドが可能になるという仕組みだ。

 また、相手がハーフスペースに選手を常駐させるようなチームの場合には、CBが縦スライドすることでその選手を迎撃し、残りの4枚でDFラインを構築することも一般的な手段として用いられる。

 ポイントは、DFラインが4枚になった際にそれぞれが「ラインとして守っている」という認識を共有すること。それがないとカバーリングが機能せず、DFラインはバラつき、組織は崩壊してしまう。

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最終更新:11/20(水) 18:25
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