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日本代表、デ杯で王者フランスに大善戦!73位の西岡が10位のモンフィスに下剋上、ダブルスも世界最強ペアを追い詰める

11/20(水) 15:32配信

THE DIGEST

 屋根が閉じられ、赤土の代わりにハードコートと化した“The Magic Box”の2番コートは、5月のマドリード・オープンとはもちろん、例年のデビスカップとも異なる空気感に満たされていた。

【動画】西岡良仁の勝利を喜ぶ日本チームと応援団

 前年優勝国のフランスだが、熱狂的なことで知られるサポーターの姿は、数えるほどしか見あたらない。今年から導入された“ワールドカップ型フォーマット”に強く異を唱える彼らは、今大会での母国の応援を「公式にボイコット」していたのだ。対して、日本から駆けつけた数十名の応援団や選手の親族たちは、日の丸を客席のいたるところに掲げ、日本ホームの空気を醸成する。

 誰もが手探り状態で迎えた、対戦初日の朝――。試合開始の1時間前になり、ようやくシングルス2名とダブルスのメンバーが発表される。

 昨年から日本チームを率いる岩渕聡監督も、「新しいフォーマットでの初めての試合なので、蓋を開けてみないとどうなるかわからない」と感じていた。そんな緊張のなか、シングルス第1試合でコートに立ったのは、フランスのジョー‐ウィルフリード・ツォンガと日本の内山靖崇だった。

 先月の楽天オープンで予選からベスト8に勝ち上がり、その後もチャレンジャー優勝などでランキングを急上昇させてきた内山は、朝の練習時にも「自分でもびっくりするほどに感覚が良かった」というほどの好調さを覚えていたという。だが、デビスカップでシングルスを戦った経験の少なさに加え、新フォーマットでのオープニングマッチという未知の舞台が、重圧としてのしかかる。

「勝つつもりでいたが、コートに入ってから自分でギクシャクしてしまった。良いプレーもあったが、全体としては単発になってしまった」という本人の弁が、全てを物語っているだろう。ツォンガのフォアを封じきれなかった内山が破れ、日本が黒星スタートとなった。

 後のない中で日本のエースとしてコートに向かったのは、現在73位の西岡良仁。対するは、今季好調の世界10位、ガエル・モンフィスである。数字だけを見れば、日本の劣勢は否めない。だが「メタリティ的には、自分はチャレンジャー。ベストのプレーができた」と後に振り返る西岡にとっては、むしろやりやすい状況だったかもしれない。

 さらに今季の西岡には、ランキングには反映しきれない経験の数々と学びがある。敗れるもホアン・マルティン・デルポトロやディエゴ・シュワルツマンと死闘を演じ、錦織圭やダビド・ゴファンからは勝利をつかみ取った経験から、今の彼は、トップが相手でも「少ないチャンスは必ずある」と確信し、「それを取り切れるかどうかで、上の選手に勝てるかが変わってくる」ことを知っている。だから西岡はモンフィス戦でも、チャンスと見れば迷うことなくネットに詰め、甘いボールが来れば際どいコースに強打を打ち込んだ。

「チャンスで思い切ってプレーして、取れなかったらしかたないという割り切りのなかで、最近プレーするようになってきた」という西岡のメリハリが、明らかにモンフィスを混乱させていく。

 第1セットの第11ゲームを西岡がブレークすると、流れは一気に傾いた。第2セットでも西岡は、時に快足を飛ばして相手の強打を拾いまくり、時に鋭いバックでウイナーを奪い自らを盛り立てる。最後はサービスウイナーで勝利を決めた西岡は、その瞬間、歓喜を分け合うように総立ちになる日本ベンチに両手の人差し指を向けた。

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最終更新:11/20(水) 15:32
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