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アーティスト KAWSと香取慎吾が歩くアートの地図

11/20(水) 15:00配信

T JAPAN web

アートの慣習やルールに縛られず独自の表現をするふたりの接点とは

 今年の6月25日、香取慎吾はインスタグラムに、ドクロ顔にバツ印の目、カリフラワーのような耳をした巨大なオブジェと一緒に写った自身の姿を投稿した。アニメから飛び出てきたようなそのキャラクターは、現代美術家KAWS(カウズ)の作品に繰り返し登場する“コンパニオン”だ。KAWSは昨年から、このコンパニオンのバルーン彫刻をつくり、ソウル、台北、香港のアジア各都市に順次、期間限定で設置するアートプロジェクト『KAWS:HOLIDAY』を行っている。香取が訪れたのは、7月18日から行われた日本版の、テスト設営の現場。あお向けになった全長40mのコンパニオンと、その姿をまねして寝そべる181cmの香取慎吾――この写真に、遠くNYでその様子を見守っていたKAWS本人も“いいね!”をつけた。

コンパニオンにさわって遊ぶ香取とKAWS

 香取はこの2年ほど、長らく描きためていた絵画を個展形式で発表してきた。2018年には、パリ・ルーヴル美術館で、今年3月には待望の日本初個展を開いた。それに伴い、横尾忠則や会田誠など自身が惹かれてきた作家と対談する機会も得ている。KAWSも香取が会いたいと切望していた美術家のひとりだった。その夢は、テスト設営から約1カ月後、富士山を近くに望むキャンプ場を会場にした『KAWS:HOLIDAY JAPAN』のオープニングイベント前日に実現した。引き合わせたのは、このプロジェクトのプロデューサーで香港のクリエイティブ・スタジオ「AllRightsReserved」の代表SK Lam。過去に香取が香港市内に制作したグラフィティを見たという彼いわく「エンターテイナーとしてだけでなく、アーティストとしても素晴らしい才能の持ち主。ふたりが出会ったらきっと面白いだろうと思って」。KAWSも香取と会うと「初対面だけど、すでにSKから香取さんのことはだいぶ聞かされているよ」と言い、ハグをした。

 近年、絵画、彫刻、おもちゃのフィギュア、またファッションブランドとのコラボレーションなど幅広い分野でクリエーションを手がけるKAWSだが、ベースにあるのはグラフィティである。生まれ故郷ニュージャージーで、彼は仲間たちと街中の壁や鉄道車両にペインティングをして思春期を過ごした。転機は90年代初頭。NYのバス停や電話ボックスに掲示された企業広告に、コンパニオンの原型であるバツ印の目をしたキャラクターを描き加えるというゲリラ的な制作を行った。あるビジュアルでは被写体の顔の上にコンパニオンの顔を描き重ね、コンパニオンを広告モデルに仕立てる。あるものはモデルとコンパニオンが共演しているふうに描く。従来のグラフィティとはひと味違う、遊び心に富んだこのストリートアートは、若者の間で話題になり、次第にプロのアート関係者も注目するようになっていった。

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最終更新:12/2(月) 17:38
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