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日本企業はバカか…! いまこそ「終身雇用」が大切である決定的理由

11/20(水) 9:01配信

現代ビジネス

終身雇用はもちろん大事だ

 1月25日の記事「バフェットが実践する『実力主義の終身雇用』こそが企業を再生する」で述べた様に、投資の神様・ウォーレン・バフェットは、企業の財産・資産の最も重要な構成要素の一つである「従業員」を終身雇用することに誇りを持っている。

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 バークシャーグループの企業において、「他社から引き抜いたことはなく、引き抜かれたのは1例だけである」と、有名な「バフェットからの手紙」で誇らしげに述べている。

 マネジメントの神様であるピーター・ドラッカーも同じ考えで、「多くの費用と時間と労力をかけて育て上げてきた社員を、自ら進んで手放すなど愚かなことだ」と看破している。

 ドラッカーが指摘する、我々が迎えつつある「知識社会」では、「知識を持った社員」をどのように企業にひきつけることができるかがマネジメントの役割であることは、7月11日の記事「人工知能時代に生き残るのは、意外と『こんな上司』だった」で述べた。

 したがって、このところ経団連会長やトヨタ自動車の豊田章夫氏など日本経済をリードする人々が、終身雇用に後ろ向きな発言を繰り返していることには危機感を感じる。

企業と従業員の間の「信頼」が重要

 なぜ終身雇用が大事なのか? それは企業と従業員の間の「信頼」が重要だからである。

 例えば、一生面倒を見てくれると思う企業に対しては、数十年先もその企業が繁栄するよう考えて行動する。しかし、明日首を切られるかもしれない、あるいはチャンスがあったらささっさと「おさらば」しようと従業員が考えている企業は、彼らが在職している間だけ存在していればよいということになる。

 終身雇用の従業員がリスクを犯して機密情報を他社に売ることは考えにくいが、会社都合でリストラされた人々が、機密情報を手土産に転職しても不思議ではない。

 10月20日の記事「『責任をとる』こそがドラッカーが指摘する現代組織のリーダーの要件」で、「石原裕次郎率いる石原軍団が『太陽にほえろ』で活躍できたのは、メンバーのボスへの信頼が厚かったからだ」という話をしたが、企業にも同じことが求められる。

 会社全体の業績が悪くなる最大の責任はもちろん経営者にあり、その次は経営幹部だ。個々の一般従業員が会社全体の業績に与える影響は一番最後であるはずだ。

 もちろん、会社の経営において一般従業員が重要ではないということではな無く、むしろその逆だ。最前線で働く従業員の頑張りがあるからこそ会社が繁栄する。しかし「経営責任」は別問題だ。

 最大の責任がある経営者が居座って、従業員だけに責を負わせるパナソニックの「中村改革」なるものは許しがたい行為であったと思う(8月6日の記事「従業員の不信を引きずったパナソニックに復活はあるのか?」参照)。

 そのようなひどい事例は別にしても、バフェットが実践し、ドラッカーも推奨する「経営者と従業員の絆を強め、企業を発展させる終身雇用」をなぜ、日本企業の多くが放棄しようとしているのか? 
 もちろん、短期利益を追求する世の中の流れに抗えず、リストラで目先の業績の見栄えをよくするという側面がある。

 しかしそれ以上に日本のこれまでの終身雇用は「年功序列」とセットで考えられ、その2つは切り離せないと誤解されているのが最大の原因ではないだろうか。

 もちろん、「年功序列」と「終身雇用」はまったくの別物だ。バフェットが「終身雇用の実力主義」を半世紀以上にわたって傘下企業で実践し、世界有数の企業帝国を築いたことがその証明である。

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最終更新:11/20(水) 9:50
現代ビジネス

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