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ヤフー・LINE統合で、ネット業界はいよいよ「成長の限界」を迎える

11/20(水) 6:01配信

現代ビジネス

 ヤフーを運営するZホールディングス(ZHD)とLINEが経営統合することになった。ZHDの事実上の親会社であるソフトバンクグループの孫正義会長は、「喉から手が出るほどLINEを欲しがっている」と噂されていたが、とうとうLINE獲得が実現することになる。

【衝撃】ヤフーとLINE、ここからの大再編で「危なくなる会社」の名前

 筆者は今回の買収によって、2000年前後からスタートした日本のネット革命は、ひとつの節目を迎えたと考えている。今後のネット・サービスは、アマゾンとグーグルを中心とした「GAFA」と呼ばれる巨大グローバル企業、ソフトバンクグループ、楽天グループの3つに集約されてくるだろう。

 これはネットが日本社会の基礎インフラとして完全に定着したことを意味していると同時に、これまでのような急成長はもはや見込めないことの裏返しでもある。

あらゆる事業を統合する

 ヤフーは説明するまでもなく、5000万人の利用者を持つ日本最大のポータルサイトであり、40代以上のネット利用者を中心に圧倒的な知名度がある。同時にヤフーは、ヤフーショッピングやヤフオクなど大規模なEC事業を抱えており、流通総額は2兆3000億円と楽天に次ぐ規模である。

 2019年9月には、ファッション通販サイトゾゾタウンの買収も決めており、EC事業の規模はさらに拡大する見込みだ。オフィス用品通販のアスクルもグループなので、アスクルが構築した独自の物流網も活用できる。

 ヤフーはソフトバンクと共同で、スマホ決済サービスPayPayもスタートした。PayPayは「100億円相当あげちゃうキャンペーン」など大胆な戦略を打ち出しており、今のところスマホ決済分野ではトップを走っている状況だ。

 一方、LINEは8000万人の利用者を抱える国民的メッセージアプリ「LINE」を中心に、多くのITサービスを手がけている。LINEもヤフーと同様、スマホ決済サービスであるLINE Payを提供しているが、今回、経営統合が実現すれば、同分野の有力企業2社が統合するため、スマホ決済サービスのシェア争いは、ほぼ確実にヤフー・LINE連合の一人勝ちとなる。

 LINEは若年層を中心に圧倒的な支持があり、40代以上に強いヤフーと組み合わせることで、高齢者を除く、ほぼすべての世代にITサービスを提供できるようになる。メディアには「1億人経済圏」などという見出しが躍っているが、両者の顧客基盤の大きさを考えればあながち誇張ともいえないだろう。

 加えていうとLINEの利用者層は、ソフトバンクの携帯電話サービス利用者と重複している割合が高いと考えられる。NTTドコモは高齢者やビジネス利用者が多いが、ソフトバンクの携帯電話加入者は、年齢層が若めでプライベートな用途も多いはずだ。ソフトバンクグループにとっては、今回の経営統合が実現することで、ようやく国内のあらゆる事業を自由に統合することが可能となる。

 ヤフーは傘下のジャパンネット銀行を通じて金融事業にも進出していたが、EC分野での連携を除くと、他事業とのシナジー効果は今ひとつだった。統合によって、スマホ決済事業で圧倒的なトップに躍り出ることや、LINEがフィンテック(金融とITの融合)事業に積極投資していることなどを考え合わせると、いよいよ金融ビジネスにも本腰を入れることになる。

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最終更新:11/20(水) 10:20
現代ビジネス

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