ここから本文です

巨大メーカーのモノ作りがPBや新興企業の攻勢で根本から揺らぐ理由

11/20(水) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 最近、新興の“メーカー”や“ブランド”が大手ナショナルブランド(NB)メーカーを揺さぶっている。大手流通企業のプライベートブランド(PB)、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」やイオンの「トップバリュ」、ドンキの「情熱価格」が代表的な存在だが、それだけではない。今後、モノ作りの一大勢力となりそうなビジネスモデルも出現しているのだ――。(流通ジャーナリスト 森山真二)

● 低価格の4Kテレビで話題 ドンキとアイリス

 低価格の4Kテレビの投入で話題になった、ドン・キホーテとアイリスオーヤマ。ドンキは2017年、4Kの50型テレビがNBメーカーで10万円以上と高止まりしているところに、なんとプライベートブランド(PB)の「情熱価格PLUS」で50型5万4800円という、まさに“驚安”価格で販売した。

 東芝映像ソリューションのメインボードを使ってこの価格を設定、初回生産を完売した上、予約受付が一時中止になった。東芝映像ソリューションは中国のテレビメーカー、ハイセンスグループの傘下に入ったこともあるが、有力メーカーの部品が容易に入手できるようになり、信頼できる製品がPBでも作れるようなったことが好調の要因といえるだろう。

 ドンキは18年には4Kテレビで改良版を投入、43型で3万9800円と「本当に4K?」と言いたくなるような価格だ。

 現在、ドンキのPBが導火線になって、大手NBメーカーの商品の価格も引きずられて安くなっているし、中国の電機メーカーが安値攻勢をかけていることから4Kテレビの価格も相当こなれている。

 しかし、ドンキのPBの価格が最安値かと思っていたら、さらに下をいく価格の商品もある。4Kの43型が3万7800円でアマゾンのサイトで売られている。これを販売しているのが、最近家電に注力しているアイリスオーヤマだ。

 アイリスオーヤマは、すでに複数の4Kテレビをネット通販やホームセンターというチャネルを使って販売しているが、今年の11月からは、さらにハイエンドの4Kテレビを導入。畳みかけるようにテレビの拡販に動いている。

 もちろん、2020年東京オリンピック・パラリンピックを前に上位機種を導入し、テレビの買い替えを促進しようという思惑もあるとみられる。

 ドンキにしても、アイリスにしても機を見るに敏。4Kテレビの市場が拡大すると見るや、価格破壊を仕掛け、さらにオリンピックが近づくにつれ上位機種を投入し、高まる需要を奪っていく。

● 大手NBメーカーにはできない ドンキやアイリスの開発体制

 ドンキは、周辺の競合店の価格や品ぞろえの調査を徹底的にやり、個別店舗で地域一番を勝ち取る戦略が社内隅々にまで浸透しているのだろう。そうした社風が商品開発にも生かされている。

 アイリスに至っては、毎週「新商品開発会議」を開いて即断即決の体制をとっており、時流にあった新商品をタイムリーに市場投入できるようにしている。

 巨大企業の大手NBメーカーが開発会議を重ね、もたもたしているうちに、侵掠(しんりゃく)すること火のごとし。スッと新商品を投入して売り上げをとっていく。

1/2ページ

最終更新:11/20(水) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事