ここから本文です

容姿や年齢にとらわれる「呪い」はもう要らない

2019/11/20(水) 8:00配信

東洋経済オンライン

 小島:男性たちは、一見女性の活躍を喜んでいるように見える人でも、実際は「男は女よりも強くなきゃいけない」という思い込みが強かったりします。なので、女性が呼びかけるよりも、男性が安心して、「あの人に言われたならそうするか。早く帰るほうがかっこいい」と思うような男性に言ってもらう必要があるのね。

 犬山:誰だろう? 

 小島:2018年の10月に中田敦彦さんが「『良い夫』やめました」宣言をしたりして、自分の育児のことを公開したのは、意味のあることだと思います。でも、中田さんが1人だけやるのではなくて、スポーツ界でも文化人も政治家もやる、というように、同時多発的に何人もがやらないとトレンドにはなりません。「憧れのあの人がやっているなら俺もやるかな」というふうにするには、戦略的に“男も子育て当たり前”トレンドを作る必要があるんです。

 犬山:まさに♯MeToo運動と同じですね。うちの夫も、リスペクトしているミュージシャンの方が、子どもに毎日お弁当を作っているという話を聞いて、「俺も毎日作ってあげるんだ」と楽しみにしているんです。憧れの人がそういう姿を見せるって大事なんですよね。

 小島:パパたちを盛り上げることも大事で、そこは女性の知恵の絞りどころです。男性全員を敵視しても意味がないんですよ。ここ数年で男性の育児参画、女性の活躍が進んだことに対して、バックラッシュ的な動きも起こりつつあって、「育休なんて言っているから国が沈むんだ」と声高に言ってやろうというモードが盛り上がる前に、「そんなのはトレンドではない。育児は男女にかかわらず当然のこと。こっちが常識ですよ」という態度で子育て世代が頑張らないといけません。

■子育て世代だからこそ、できることとは? 

 犬山:一方で、ワーク・ライフ・バランスについて深刻な悩みを抱えている人もいます。本当は今の職場を辞めたいけれど、貯金もない、どうしたらいいんだという人もゴマンといます。その人たちに、「自分のことをもっと肯定して」というのは、現状ではすごく難しい。そこから自力では脱出できない人たちを、私たちの世代がどう引っ張っていくかは大きな課題です。

 小島:子育て世代は、独身のときより世帯収入も増え、子どもを通じて世の中と自分たちの暮らしが地続きであることを実感している。職場や地域で発言する力も、若者よりもありますよね。子育て世代には世の中を変える力があるんです。社会を住みやすくするためにできることがあれば、少しでもいいからやることが大事。自分の子どもがどうやったら逃げ切れるかだけを考えていたら、最終的にわが子が出ていく社会は変わらないですし。

4/5ページ

最終更新:2019/11/20(水) 8:00
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事