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井上尚弥の怪物性は薄れたのか?“Drama in Saitama”の海外評。

11/20(水) 11:36配信

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 11月7日、日本で行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム決勝、井上尚弥vs.ノニト・ドネア(フィリピン)の試合は、ボクシングの本場アメリカでも少なからず話題を呼んだ。アメリカ国内ではスポーツ動画配信サービスのDAZNがこの試合を生配信。東部時間でAM5:30頃という開始時間だったにも関わらず、終了直後からその激しい試合内容が評判になった。

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 「考えれば考えるほど、2019年のファイト・オブ・ザ・イヤー(年間最高試合)はこの一戦で間違いない」

 リングマガジンのダグラス・フィッシャー編集長は、自身のコラムにそう記述していた。新旧のスーパースターが真っ向から打ち合った一戦は、実際にスキルレベルとドラマ性の両方で評価が高い。

 今年は他にエロール・スペンス(アメリカ)vs.ショーン・ポーター(アメリカ)、アンソニー・ジョシュア(イギリス)vs.アンディ・ルイス・ジュニア(アメリカ)、ジョシュ・テイラー(イギリス)vs.レジス・プログレイス(アメリカ)、ジャレット・ハード(アメリカ)vs.ジュリアン・ウィリアムズ(アメリカ)といった好ファイトが展開されてきたが、通称“ドラマ・イン・サイタマ”が多くの主要媒体から2019年のベストファイトに選出される可能性は高そうだ。 

「怪物性が薄れた?」

 気になった部分があるとすれば、今回の激闘で井上の評価が多少下がったのではないかという点だ。これまで無人の広野をゆく快進撃を続けてきた“モンスター”だが、今回は36歳になった老雄に苦戦。9ラウンドには強烈な右を浴びてダメージを受け、一部のファンからは「怪物性が薄れた」と指摘されていた。

 もっとも、この試合を見た米主要メディアのライターたちに意見を求めると、基本的に井上への高評価は変わっていないという答えだった。

試練を乗り越えた「終盤」に好評価。

 「今回の試合で井上は単なるパンチャーではなく、ガッツがあり、タフネスも備えていると示した。快進撃の過程では恐れられたパンチャーが、試練を味わうと馬脚を現す例を見てきた。しかし、井上は最後の3ラウンドで再びペースを上げ、これまで未知数だった部分を証明したんだ。私は依然として井上を高く評価している」

 ESPN.comのスティーブ・キム記者はそう述べ、実際に試合前後で変わらずに井上をパウンド・フォー・パウンド・ランキングの1位に推している(注・記者投票で決まるESPN.comの総合ランキングでは井上は4位)。また、リングマガジンのフィリピン系アメリカ人ライター、ライアン・サンガリア記者もほぼ同意見だった。

 「井上が苦しんだことで、多くのファン、関係者は驚かされた。ただ、初めてのピンチを味わいながら、それでも最後は経験豊富なドネアよりも力強くファイトを締めくくったことを忘れるべきではない。下の階級から上げてきた井上はドネアよりも明らかに小柄だった。それにもかかわらず、終盤は明らかに上回ったんだ。バンタム級では最高級のパンチャーであるドネアのパンチを耐え切った意味は大きい」

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最終更新:12/4(水) 18:21
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