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「モテたくて、慶應に入りました」。山口から上京した男が、直面した厳しい現実とは

11/20(水) 5:20配信

東京カレンダー

今とは違う“何者か”になりたい。

ここ東京では、そんな風に強く願い行動した者のみが掴める、成功や幸せがある。

彼らは「勝ち組」・「成功者」と称され、周囲から、羨ましがられ、時に妬まれる。

しかし、ご存じだろうか。

彼らは、その影で、ジレンマに苛まれ様々なコンプレックスと戦っていることを…。

この連載では、そんな「勝ち組」となった彼らの、その後のリアルストーリーをお届けする。

モテたかっただけの男

名前:浜谷海斗(仮名)
年齢:27歳
職業:IT社長


平日の午後3時。六本木にあるホテルのラウンジに、海斗はラフなスタイルで現れた。

その堂々とした歩き方からは、IT社長特有の自信のようなものが感じられた。

「ごめん、待った?商談ながびいちゃってさ」

海斗がそう言いながら席についた瞬間、つけてくる量を間違えたのだろうか、ブルガリの香水の香りがその場一帯に一瞬にして充満した。

海斗は現在、インフルエンサーと企業をつなぐマッチングプラットフォームなるものを運営しているIT企業の社長だ。まだ立ち上げたばかりで社員は数人しかいないものの、2年前にアフィリエイトサイトやらアプリなどの事業譲渡をしており、その総額はなんと数億円に上るという。

メディアでも幾度か取り上げられているちょっとした有名人だ。

「でもね、僕。ほんの3年前までは山口県で地道に銀行マンしてたんですよ」

IT社長という肩書や出で立ちとは裏腹に、不思議とどこか素朴さを感じさせる海斗がここまで上り詰めてきた経緯を聞いてみた。

東京での就職試験に全部落ちた!

「僕、大学は慶應だったんです。でも就職は地元山口でする羽目になって…」

海斗は、山口県の宇部市という田舎町で生まれ育った。

高校までは地元でそれなりにモテたらしく、その事実につけあがってしまったのか、もっと洗練された美人やモデルのように可愛い子と付き合いたいと思ようになった。そして高校2年生の時、もっとモテる方法を自分なりに調査した結果、「慶應ボーイになる」のが一番だという結論に辿り着いた。

そして、「もっと可愛い子と付き合いたい」という理由だけで、慶應を第一志望に据え、必死に大学受験を戦い抜き、見事、慶應への現役合格を果たしたのだった。

しかし、経済的に余裕があったわけではなく、生活費は自分のバイト代で稼ぐことを条件に上京した。

そして入学後は、モテたくて可愛い子が多いと噂のテニスサークルに入った。

「そこで思い描いていた通りの可愛い子や美人に山ほど出会うことが出来ました!本当にみんな女優さんの卵なんじゃないか?ってくらい!でも、出会ったところで、僕みたいな田舎者は相手にすらされなくて…。慶應ボーイにさえなれば、モテるというのは勘違いだったと実感しました(笑)」

当たり前の話ではあるが、レベルの高い女性の周りには、レベルの高い男性も群がる。結局、そんな可愛い子や美人たちが付き合う相手は、幼稚舎から上がってきた生粋のお坊ちゃんでしかもイケメンの人間ばかり、海斗は相手にすらされなかったという。

そして特にテニスがやりたいわけではなかった海斗は、すぐにそのテニスサークルとは疎遠になり高校時代からやっていたバスケのサークルに入った。

「そこで出会った男友達とは妙に気が合って。みんな顔は悪くないんだけど、地方出身の奴らばっかで、今考えると、どこか芋臭さが残ってたんだと思うんです」

類は友を呼ぶというのか、似た者同士の親友ができた海斗。大学4年間、彼らと一緒に大いに青春を謳歌したという。

大学の授業はそこそこに、朝から晩までバイトと遊びで駆けずり回った。高嶺の花と付き合うことはできなかったが、麻雀に合コン、海にスノボに学園祭と、まさに人生の夏休みのような期間だった。

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最終更新:11/20(水) 5:20
東京カレンダー

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