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大野将平はなぜ笑わないのか 東京五輪で連覇を目指す男が語る“畳の上での美学”

11/21(木) 16:33配信

THE ANSWER

日本柔道界のエース大野が語る“戦う意味”

 来年に迫った東京五輪。日本のお家芸ともいえる、柔道で2大会連続の金メダルを狙う男がいる。日本柔道界のエース、大野将平だ。2016年のリオ五輪、73キロ級で金メダルに輝き、今夏の世界選手権でもオール一本で表彰台の中央に立った。22日に開幕するグランドスラム大阪は負傷のため欠場するが、東京五輪でも大きな期待を集めるのは間違いない。

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 脂の乗り切った27歳が目指すのは“最強”。常に泰然自若とし、畳の上では感情を出さない男が、自らの美学を「THE ANSWER」に語った。

 ◇ ◇ ◇

 圧倒的な強さで日本柔道界のエースとして君臨する大野。2016年のリオ五輪で日本勢にとって2大会ぶりの金メダルに輝いた柔道界の救世主。今年8月の世界選手権でも畳の上で相手をねじ伏せ続けた。オール一本勝ちの6連勝で頂点まで駆け上がったが、印象的だったのは勝っても畳の上で一切表情を変えないことだ。

「決めごととかではありません」としたうえで、真意を明かしてくれた。

「僕も(キャリアは)長いですし、五輪も金メダルを獲って、世界王者にもなっている……。そうですね。初めて王者になったときはガッツポーズしたり、喜んだりしていたと思います。ただ今は、勝ちの味を知っているので、過度な感動はないんです」

 2013年に初めて世界選手権を制した当時は21歳。そこから15年世界選手権、16年のリオ五輪と世界一に上り詰めた最強柔道家は独特の表現でこう続けた。

「はっきり言って、美味しいものは何度食べても美味しいけど、知っているとある程度、構えられますよね。ちゃんと対応できる。相手のいる競技の中で、こちらが投げて勝っている。悔しがっている相手に対して、こちらが喜ぶということは、その相手に悔しさ以外の余計な感情を芽生えさせる結果になるかもしれない。だから何もしない。それが僕のスタンスですね」

 余計な振る舞いが相手に“負の感情”を与える可能性にも思いを巡らせる。相手へのリスペクトを欠かさない意味でも、淡々と、感情を表出させないのが、武道家・大野の美学だ。

「感情を出すことは、競技によってはパフォーマンスという意味もあると思う。その気持ちももちろんわかります。ただ僕がやっているのが柔道で、武道なんです。だからそれが僕のやり方です。あくまで自分の考え、まわりに押し付けるものではありません。ガッツポーズとかっていうのは咄嗟にでるものだと思うんです。だからラスト1秒で逆転勝ちしたら、僕でもすると思う。でも勝って冷静なときに、過剰にやるのは、僕は嫌だなと。勝ったときのほうが相手の事を思いやれる余裕があると思います」

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最終更新:11/21(木) 17:46
THE ANSWER

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