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[平成ランナーズ playback vol.2]三代直樹「タフさと責任感が生んだ、無欲の快記録」

11/21(木) 11:01配信

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 1995年に渡辺康幸(早稲田大学)が出した、箱根駅伝2区での1時間6分48秒という驚異的な区間記録。

 実は当人はレース後、こんなことを語っていた。

 「本当に強い外国人留学生が走ったら別ですが、今の日本の学生レベルでは、1時間7分がせいぜいだと思います」

 そんな風に語っていた記録が、まさかこれほど早く塗り替えられるとは――誰もが予想していなかった。

 わずか4年後の'99年大会。

 あっさり記録更新を実現してみせたのが、順天堂大学4年の三代直樹だった。

三代の頭の中に記録更新は全くなかった。

 三代は、松江商高3年では国体5000mで優勝し、大学2年時の'96年には世界ジュニア10000mで7位入賞。'97年にはユニバーシアードで5000m4位、10000m7位という成績をあげており、下級生の頃から有力ランナーだったことは間違いない。

 箱根駅伝では、1年生で1区を走り、区間3位。2年時からはエース区間の2区を走るようになり、2年時は区間8位、3年時には1時間8分18秒で3位という結果を残していた。4年生になった'99年は、日本インカレで5000mと10000mの2冠獲得を果たし、名実ともに学生トップランナーとして臨む箱根路となっていた。

 ただ、それでも三代の頭の中に、渡辺の区間記録更新は「全くなかった」という。

 想定していたのは、渡辺以前の区間記録だった、大塚正美(日本体育大学)の出した1時間7分34秒を上回る1時間7分20秒。本人としては、「出せてもそのくらいだろう」と考えており、それを目標にしていたのだという。

 「たすきを受けた時は8位で、先頭とは22秒差でした。その時マークをしていたのが1学年下の日本大学の山本佑樹と山梨学院大学の古田哲弘だったんですが、ふたりに前後を挟まれる形でスタートしたので、『嫌だなぁ』と思っていました。でも、2分50秒くらいのつもりで入った最初の1kmが2分45秒だったので、『今日は体の動きも良くて好調だな』と感じていたんです」

 ペース設定は考えず、最初の5kmを14分21秒で通過することだけを意識して走っていた。このタイムには理由がある。

 「3年の時の5km通過が14分21秒だったんです。その時は少し前のチームを追い過ぎてしまって、当時の力からすればオーバーペースでした。その失敗があったので、4年の時は1年間でしっかり力を付けて、同じペースで5kmを入っても余裕を持って走れるようにしようと準備をしていました。それが出来て、5kmはまさに、14分21秒での通過だったんです」

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最終更新:11/21(木) 11:01
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