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ドラフト指名漏れの高橋佑樹が力投。日本一に導いた慶應大左腕の神宮愛。

11/21(木) 20:01配信

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 最後の打者をセンターフライに抑えると、特別な思いを抱く「神宮」のマウンドで両手を突き上げ、何度も飛び跳ねた。

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 慶應義塾大(以下、慶大)のエース左腕・高橋佑樹は、明治神宮大会・大学の部決勝の関西大戦で先発を任された。7回まで1人の走者も許さず、完全試合も予感される好投を見せ、3安打無四球完封勝利。慶大を19年ぶりの明治神宮大会優勝に導いた。

 高橋は小学6年時にヤクルトスワローズジュニアに選抜された。プロと同じユニフォームに袖を通して以来、筋金入りのヤクルトファンになった。慶大の寮の部屋はヤクルトグッズで埋まる。神宮球場には今も足繁く通っている。

 「引くほど好きです。一番ヤクルトが好きな大学野球選手だとは思います」と笑う。

石川に憧れ、半袖は青木の影響。

 神宮に通い始めた頃は、守護神・林昌勇の綺麗なフォームと曲がりながら唸る160キロのボールに惚れた。左腕として成長を続けていくと、今度はエースの石川雅規の姿を自分に重ねた。速いストレートがなくとも抑える投球スタイルを目標とした。ロジンを大量につけて投げるのも石川流だ。

 また、打撃フォームや寒空の下でも半袖でプレーするのは、尊敬する青木宣親を真似したスタイルなのだとか。

 それゆえ、大学1年春から上がり続ける神宮のマウンドでは今でもなお昂ぶるものを感じる。さらにプロのナイターゲームの翌日となれば一層だ。それだけ神宮には特別な思いがある。

3年秋の早慶戦での悔しい思い。

 ここにはさまざまな思い出も詰まっている。

 中学時代は東京神宮リトルシニアで全国準優勝、埼玉・川越東高時代も3年春に埼玉大会と関東大会で準優勝と、これまで大きな大会で優勝と縁がなかった高橋。慶大でこそ2度のリーグ優勝を経験したが、大学2年秋の優勝決定試合では登板はなく、3年春は他校の敗戦により優勝が決まっていた。「自分が投げると良いところまでは行くけれど、また準優勝に終わるんじゃないか」とこの日の決勝前は不安になることもあったと苦笑いする。

 過去を振り返れば、忘れられない試合もある。3年秋の早慶戦。この伝統の一戦で勝ち点を挙げれば慶大として46年ぶりのリーグ3連覇がかかっていた。だが、1勝1敗で迎えた3回戦、先発した高橋は8回まで早大打線を3点に抑え1点をリードしていたものの、最終回にピンチを招いて降板。すると後続の投手陣が打たれ、逆転負け。宿敵に敗れたことで、勝率の差で優勝は法大に転がり込んでしまった。

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最終更新:12/4(水) 19:16
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