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満期保険金の受け取り方 一時金と年金どちらがお得?

2019/11/22(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

保険の満期が近づき、受け取り方を迷っています。一時金か年金か、何を基準に判断すればいいのでしょうか。(60代女性)
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■回答者:ファイナンシャル・プランナー 森文子さん

保険の満期金を受け取ることで、税金等が生活にどのように影響してくるのか、理解している人は少ないようです。制度を理解し、少しでも多く手元にお金を残すことができれば、うれしいですね。

保険の「満期」とは保険期間の終了という意味。満期時に保険金を受け取ることができるのは、養老保険や学資保険のような貯蓄性のある保険です。終身保険は一生涯の保障のため、貯蓄性はありますが満期はなく、死亡保険金として受け取るか、保険期間の途中で解約して解約返戻金を受け取るものです。

■保険料負担者と保険金受け取り人によって異なる税金

税金は「所得税」「贈与税」「相続税」のいずれかが保険金の受取人に課されます。ポイントは誰が保険料を負担し、誰が保険金を受け取ったか。自分が負担し自分が受け取れば「所得税」、他人が負担し自分が受け取れば「贈与税」、故人が負担し相続人が受け取れば「相続税」です。

所得税は収入から必要経費を引いた所得、いわゆる「もうけ」が対象です。扶養控除などの所得控除も減算し、残る金額があれば税金が発生します。住民税も同様です。

保険金を受け取った場合の収入とは「配当を含む受取保険金の総額」で、必要経費とは「払い込んできた保険料の総額」になります。

養老保険や個人年金保険を一時払いし、保険開始から5年以内に保険金を受け取ると、税法上は金融類似商品として扱われ、約20%の税率で源泉徴収されて課税は終わりです。それ以外の保険金は一時金で受け取ると「一時所得」、年金で受け取ると「公的年金以外の雑所得」とされ、税金の計算方法も異なります。

確定申告は、年金の場合は各年度、一時金の場合は保険事故(満期)が発生した年度に行います。年末に満期を迎え、翌年に一時金を受け取ったケースは注意しましょう。

一時所得は50万円の特別控除に加え、もうけを2分の1にして計算する「特典」があります。仮に200万円のもうけがあった場合を考えます。一時金であれば、特別控除50万円を差し引いた額の2分の1に当たる「75万円」で税額が計算されます。一方、年金で受け取れば、納税は複数年にわたりますが課税対象は200万円全額になります。支払う税金の額だけを考えれば、一時金の方が有利です。

一時金は受け取った年だけみれば税負担は大きいですが、医療機関や介護サービスの負担割合は毎年の所得に影響を受けます。年金は継続して所得が発生するので、一時金を選んだ方が、中長期的には様々な自己負担が少なく済むので、日々の生活は楽になるでしょう。

ただ年金方式には利殖性があります。残額を保険会社が運用するため、そもそも受け取る総額は一時金より増えます。一時金で受け取る大金を自分で管理する必要もないので、散財リスクを抑えられるというメリットもあります。

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最終更新:2019/11/22(金) 7:47
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