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わたしの先生──ピエール・アルディとアレクサンドル・マテュッシ

11/22(金) 8:11配信

GQ JAPAN

アミのアーティスティック・ディレクター、アレクサンドル・マテュッシとシューズデザイナーのピエール・アルディが出会ったのは、アレクサンドルが学んでいた名門エコール・デュペール美術学校でだ。ピエールはエルメスのジュエリーデザイナーとして活躍する傍ら、ここで教鞭を執っていた。先生と生徒の関係に迫る。

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ピエール・アルディ(PH) 学生時代の君は、やっぱりほかの生徒とは違っていましたね。目立っていたけれど、生意気でもあった。

アレクサンドル・マテュッシ(AM) 田舎からパリに出てきたばかりの18歳の僕にとって、ピエールは先生たちのなかでもひときわエレガントでした。赤いプラダのジャケットを着ていたのをよく覚えてます。みんなピエールが大好きで、授業中もどうにか笑わせようと生徒は必死だった。

PH 学校で君を見なくなったと思ったら、ディオールやジバンシィで働いてたんですよね。また話すようになったのは、君が独立してから。教師時代は、君がこんなすごいことになるなんて思っていませんでした。才能ってわからないものだな。

AM 僕が学生だった20年前は、インターネットにファッションの情報なんてひとつも載っていませんでした。学校にコンピューターが導入されたのは僕らの後の世代からで、家にもパソコンはなかったような時代。僕は最後のコピー機世代ですね。ファッション界ではトム・フォードがグッチを再生させ、ミウッチャ・プラダが全盛期を迎えていた。いっぽう、ティエリー・ミュグレーの最晩期でもあった。あの頃の僕らは皆、ファッションデザイナーになるとはどういうことかと自問したものだけど、答えは見つからなかった。誰もが何か新しいものを創り出してみせるって勢い込んでいました。でも僕は正直、ピエールみたいな人に自分を信じていいんだっていってもらえることで安心していました。

PH 私たちは、いわゆるメンターと弟子というような関係ではありません。そもそも私は、誰かに何かを教えられるなんて思っていなかったし。君はよく、私にあれやこれやを教えてもらったっていうけれど、私は全然覚えていないんですよ! 私とアレクサンドルにはいろいろと共通点があって、例えばテイストや生地、色の好みが似ている。ふたりとも、エレガントで古典的な男性性に惹かれるしね。とても「フレンチ」なんです。

AM ピエールに教えてもらっていた頃、ファンというのとはちょっと違うけど、僕が将来叶えたいことをピエールはすでに成し遂げていたから、憧れでした。自分だけのテイストがあって、絵が上手くて。学校ではよくピエールのスケッチをコピーさせてもらっていましたよね。

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最終更新:11/22(金) 8:11
GQ JAPAN

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