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山口蛍が永井謙佑と共に変えた流れ。代表に必要な能力と、本人の違和感。

11/22(金) 18:01配信

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 1人では試合の流れを変えることができなくても2人ならやれる。

 「前からいこう」

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 試合をベンチで見ていた山口蛍と永井謙佑は、そう決めていたという。

 後半20分、同時にピッチに入ったふたりは、それを実行した。永井が前線で引っ張り、山口も積極的に高い位置でボールを奪いに行くことで後ろに引いた守備陣を前に押し上げさせた。

 それまでの悪い流れを断ち切り、一気にチームを変化させ、アグレッシブに攻めるいつもの日本代表の姿を取り戻した。そしてこの変化が、この日唯一の光明となった山口の代表通算3点目となるゴールを生むキッカケになったのである。

 前半は信じられないような展開がつづいた。

 8分に失点し、その後もミスがつづいて自分たちのリズムでサッカーをすることができなかった。対人の守備で軽さが目立ち、球際へのアプローチも甘く、べネズエラの選手たちに自由にもたれた。

 とりわけサントスの10番を背負うジェフェルソン・ソテルドのテクニックとダルウィン・マチスのスピードに乗った攻撃に植田直通ら守備陣が翻弄され、前半30分から8分間で3失点を喫し、べネズエラに子供のように扱われた。

山口がベンチで感じた問題点。

 山口は、ベンチで試合を見ながら苦戦の原因を見極めていたという。

 「ミスがあってそれをリカバリーすることができていない状態で相手にボールを渡してしまい、相手が効率よくゴールを決めた。押しこまれた後も押し上げができていなくて、全体的に後ろに重かったし、お互いの距離が遠かったと思う。

 このくらいの相手だともっと寄せないといけないし、もっと最後のところで体を投げ出してシュートを止めることが必要だった」

 後半、中島翔哉をトップ下に入れた4-2-3-1に戻すと中島を中心に多少動きが出てきた。だが、完全に主導権を握り返すまでには至らなかった。

「僕が入ってから前からいくように」

 そして、山口の出番である。

 「0-4と負けている状況だったんで、前からいくのが当然だと思うし、そこを一番に考えていました。僕が入った時点から前からいくようになって、後ろもそれについてラインを押し上げてきてくれた。

 それでリズムが出て、セカンドボールもうまく回収することができた。前半からそれができていればって思ったけど、失点が立て続けにあったんでそういう風にならなかった。ただ、途中から入った選手はうまく切り替えてやれていたんじゃないかなと思います」

 相手の動きが落ちたこともあったが、山口はチームのリズムが大きく変わった手応えを感じた。べネズエラを押し込む時間が増え、チャンスが増えた。前半にべネズエラが見せていたパス回しを日本が披露するようになり、形勢は逆転した。

 そして後半24分、山口のミドルが決まった。追い上げムードを加速させるゴールに、スタジアムはこの日一番の盛り上がりを見せた。

 「相手に当たって入ったんでラッキーでした」

 反撃の狼煙を上げるゴールだったが、そこから2点目、3点目と相手にプレッシャーと恐怖心を与えることはできなかった。

 とはいえ前半は、ミドルシュート自体1本もなかった。ラストパスでミスが多く、シュートにつなげることさえできていなかったのだ。

 山口は永井とともにその流れを変え、ゴールを決めた。得点力があり、チームを修正できる力を持つ選手の存在は、今回のように代表経験が少ない選手が多いチームには欠かせない。

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最終更新:11/22(金) 18:01
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