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服作りのイノベーションはレガシーにあり クリエイティブの祭典で語られた「着るの未来」

11/22(金) 20:30配信

WWD JAPAN.com

未来を語ろうとするとき、未来志向になりきれない自分たちを責めたり後ろめたく感じたりしてしまうのは、日本のファッション業界の悪い癖かもしれません。クリエイティブの祭典「Any Tokyo2019」のプログラムの一環として開催されたトークセッション「着るの未来」では、バイオアーティストの福原志保、ファッションデザイン/デザインリサーチコレクティブSynflux(シンフラックス)主宰の川崎和也スペキュラティヴ・ファッションデザイナーが登壇。司会進行を村上要「WWD JAPAN.com」編集長が務め、ファッション業界が持つポジティブなレガシー(遺産)の可能性について語り合いました。

【画像】服作りのイノベーションはレガシーにあり クリエイティブの祭典で語られた「着るの未来」

"プロトタイプとバージョンという発想"

先端テクノロジー領域に詳しい2人の視点を、「ファッション業界が抱える閉塞感や停滞感を打破するヒントにしたい」という村上。ファッション業界はどうすれば変われるのかと聞くと、川崎氏は、ダイバーシティーやサステナビリティなどのビジョンは浸透・確立されつつ、ファッション業界はそれを実現・実践するフェーズへの過渡期であり、今まさに変わっている途中ではないかと言います。

川崎氏はビジョンを実現するために、ファッションにプロトタイプとバージョンの概念を導入すべきだと話します。「環境問題をはじめとする社会問題やテクノロジーの応用は短期的なサイクルでは解決できません。そのためにプロトタイプをアップデートしていく技術開発のような考え方で、長期的に取り組む必要があると思います。毎回同じテーマに取り組み続けるため、ユーザーにとっても作り手にとっても、『変わらない』ことや『一貫すること』を受け入れる文化的な土壌が重要になると思います」(川崎)。

これに対して村上は、各ブランドが持つ「ステイプル(ブランドを象徴する定番商品)」を評価するようになったコレクション動向を例に、ファッション&ビューティ業界も、少しずつブラッシュアップする姿勢に価値を見出せるようになっていると応じました。製品やサービスの成長過程を楽しむ仕組みやマインドは、クラウドファンディングなどの共感投資型の消費動向に見られる通り、一定の市場を形成し始めています。他分野の事例を考えると、これまで完成された結果のみを見せてきたランウエイさえ、ブラッシュアップの道程を示すものと捉える考え方が必要なのかもしれません。

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最終更新:12/3(火) 10:20
WWD JAPAN.com

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