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韓国がGSOMIA「終了通告の効力停止」、逃げ道なしの苦境を元駐韓大使が解説

11/23(土) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● GSOMIAを巡って逃げ場のない状況に 追い込まれ、屈した文在寅大統領

 韓国の文在寅大統領は22日夕方、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄するとした決定を、土壇場になって効力停止すると決断。数カ月間のドタバタの末、協定は終了せず、効力維持ということになった。

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 一方、日本の経済産業省は同日、韓国向けの輸出管理強化について、韓国当局と局長対話を行う方針を明らかにした。輸出管理に関する協議は3年以上行われておらず、そのことも日本が管理を強化する原因となってきたが、韓国当局がWTO提訴を取り下げる決定を下したのを受け、二国間の局長協議を行うことにした。韓国側としては、日本と協議をすることになったと説明するきっかけとなるだろう。

 ただ、今回の発表で重要なことは、GSOMIA破棄の効力停止は「条件付きではない」ということだ。韓国側はGSOMIA破棄の効力停止の決断は、輸出管理について当局間で対話するという条件を日本側が飲んだからだ、と国内向けに説明したいだろう。しかし日本側が韓国側の期待するような形の協議には応じなかったため、条件付きにはならなかったのでないか。日本の経産省は、輸出管理に関する政策対話とGSOMIAは関係ないと明言している。日本側としての協議の意義は、韓国政府が杜撰な輸出管理を改めることで、韓国側への許可をよりしやすくすることだろう。

 文在寅政権が姿勢を改めたのは、米国の強い圧力に屈したためであるが、同時に日本政府の毅然とした対応によって、従来の主張を通せなくなったということでもある。

 だが、GSOMIAについては、韓国政府はそうした「真実」を国内で説明する必要はなく、諸般の情勢から国益にかなうと判断したと言って、国民の納得を得れば、政権が負う傷は最小限に抑えられるだろう。そのために、文在寅大統領はことの顛末を国民に説明するという「嫌なこと」を避けるのではなく、積極的に国益とは何かについて、直接国民に語るべきだった。

 4日前の19日、文在寅大統領は韓国文化放送(MBC)が生放送した「国民との対話」で、「最後の瞬間まで努力する」と余韻を残していた。しかし実際に述べたことは、「韓国が日本安保の防波堤になっているが、日本が安保的に韓国を信頼せず輸出統制を行なった」と従来の主張を繰り返しただけであった。

 韓国のリアルメーターによる世論調査(15日)では、GSOMIAを「破棄すべき」は55.4%と、「延長すべきだ」の33.2%を上回り、前回(6日)よりも7.1%上昇した。特に文政権の支持が多い革新層では「破棄すべきだ」という意見が強く、これを撤回すれば、文在寅大統領に対する支持も揺らぐといわれていた。

 しかし、こうした逃げ場のない状況を作り出してきたのは、文在寅大統領本人である。

 韓国でも、外交部、国防部など実際に安全保障を担当する部局は破棄に反対してきた。北朝鮮の最近の挑発行動を見ると、破棄を撤回すべきという人々の危機感は高まっていた。

 保守層と改革層での意見対立がある中で、これを撤回できるのは大統領だけだった。「国民との対話」で「最後の瞬間まで努力する」などと述べているが、やっていることといえば日本の譲歩を求めているだけで、韓国の国益を考えた指導力など微塵も発揮していなかった。これが、文在寅大統領の「劇場政治」だが、土壇場で国益に基づいた判断を下したことは幸いだった。

 ハリー・ハリス駐韓米大使は、「米国の朝鮮半島の防御に関連した能力に影響を及ぼしたことに失望した」として「在韓米軍と韓国軍はより大きな脅威に置かれることになる」と指摘していた。

 GSOMIAを巡って日米韓を巻き込んだ一連のドタバタ劇を演出した文在寅大統領は、韓国の安全保障を危機にさらしてきた。また、GSOMIAは、日米韓の安全保障上の連携にとどまらず、広く内政、経済、外交面で韓国に深刻な打撃を与えるとの現実を認識させられたのが、今回の一連の動きである。

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最終更新:11/23(土) 9:40
ダイヤモンド・オンライン

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