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ナダル、バウティスタ アグートがスペインを優勝へ牽引 [デ杯テニス]

2019/11/25(月) 17:05配信

テニスマガジンONLINE

 男子テニスの世界国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(11月18~24日/スペイン・マドリッド/室内ハードコート)の決勝で、世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)はラ・カハ・マヒカのセンターコートで持てるすべてを捧げた。ナダルは新生デビスカップ・ファイナルズの6日間に8試合――シングルス5試合、ダブルス3試合――をプレーすることで、故障する危険をおかしたと認めさえした。

デビスカップ by Rakuten ファイナルズ2019|トーナメント表

 今大会でナダルはプレーしたその8試合すべてに勝ち、スペインを6度目のデビスカップ・タイトルへと導いた。スペインは日曜日の決勝で、初めて決勝に進出したカナダを2勝0敗で破ったのである。

 しかしナダルにとってスペインのヒーローは、悲しみに暮れるチームメイトのロベルト・バウティスタ アグートたと言う。バウティスタ アグートは大会期間中に父の死に直面し、その3日後に第1シングルスに勝つことでスペインを勝利に続く道へと送り出したのである。

「僕は8試合で勝ったが、このデビスカップで決定的な存在だったのはロベルトだ」とナダルは仲間を称えた。

「僕の意見では、彼がやったことはほとんど超人的なことだ。どう説明したらいいのかわからない。僕の残りの人生において、それは模範となるだろう。彼は(病気の父の容態が悪化したため)大会から去らなければならなかった。それから彼の父親が亡くなり、そのあと大会に戻ってきた。そして彼は昨日僕らといっしょに練習し、今日の彼はふたたび非常に高いレベルでプレーする準備ができていた。信じられないことだ」

 第2試合でナダルがデニス・シャポバロフ(カナダ)を6-3 7-6(7)で倒してタイトルを獲得する前、バウティスタ アグートは第1試合でフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を7-6(3) 6-3で下し、スペインに1勝0敗のリードを与えていた。スペインがホームで優勝したのは、2011年以来のことだった。

 バウティスタ アグートは自分の試合で最後のポイントを取ったあと、指を天に向け、彼の名を呼ぶ観客たちに向けて短いスピーチをしたときは涙にくれた。

「今日、僕はコート上で驚くべき感慨を体験した」とバウティスタ アグートは語った。彼は表彰式で、デビスカップを掲げたスペイン代表プレーヤーだった。

 彼の父は、息子がニコラ・メクティッチ(クロアチア)を倒した翌日に当たる木曜日に、2016年に遭った事故に起因する病気のあと急速に健康状態が悪化したことにより命を落とした。バウティスタ アグートが大会の間の頑張りについてナダルにお礼を言うと、ナダルは涙ぐんだ。

「君は週を通し、僕らを感動でゾクゾク、ワクワクさせた」とバウティスタ アグートは声をかけた。「ありがとう。君が来年も同じことをやって見せると確信しているよ」。

 世界9位で31歳のバウティスタ アグートは、チームメイトのパブロ・カレーニョ ブスタとマルセル・グラノイェルスが決勝直前にちょっとした故障に見舞われていたためプレーすることになった。

「チームの皆が初日から素晴らしい努力をしたから、僕は今日プレーするチャンスを得ることができたんだ」とバウティスタ アグートはチームメイトに感謝の意を述べた。

 優勝の立役者となったナダルは、すべての試合をプレーできて自分は幸運だったと考えていた。

「確かに僕は持ちこたえた。だが、これほど多くの試合をこの(ハードコートの)上でプレーするというのは、僕にとってリスクの大きなことだよ。いつ何時、何が起きてもおかしくなかった」ナダルはコメントした。「過去にはそうだったが、だが幸運にも僕は持ちこたえた」。

 結局キャンセルとなったダブルスでは、グラノイェルス/フェリシアーノ・ロペス(スペイン)がシャポバロフ/バセック・ポスピショル(カナダ)と対戦する予定になっていた。とはいえ、もしそれがタイトルのかかった最終試合となっていたら、ナダルがプレーしていた可能性は高い。ナダルは金曜日と土曜日に、勝負のかかったダブルスをプレーしていた。

 大会のベストプレーヤーに選出されたナダルはデビスカップで連続29度目となる勝利を決め、母国の観客たちの祝いの宴に火をつけた。大会主催者でFCバルセロナのサッカー選手であるジェラール・ピケ、彼の妻で閉会式でパフォーマンスした歌手のシェキーラ、スペイン国王のフィリペ6世も、スペインの勝利を祝う宴の中にいた。

 これ以前にスペインがデビスカップ・タイトルを獲得したのは、2000年、2004年、2008年、2009年、そして2011年だった。

 初出場した1913年以来、カナダは初のデビスカップ・タイトルを追い続けてきた。

「僕らはチームとして、国として、本当に遠くからやってきたと感じている」と20歳のシャポバロフは振り返った。「そして僕らは、この上なく誇りに思っている。もちろん、決勝で敗れるというのはひどく辛いことだ。でも僕は皆をすごく誇りに思う。僕らは毎日、120%を注ぎ込んだんだ。どれほど遠くまで突き進むことができたか…驚くべきことだよ」。

 カナダはグループ戦でイタリアとアメリカを倒し、準々決勝でオーストラリア、準決勝ではロシアを退けて決勝に進んだ。

 19歳のオジェ アリアシムは、今年の大会のデビュー戦だった試合でバウティスタ アグートに敗れていた。彼は足首の故障から復帰したばかりのところで、この故障のためグループ戦を通し、また準々決勝と準決勝でもプレーすることができないでいた。

 今大会でのカナダは、背中を故障したミロシュ・ラオニッチを欠いた布陣でマドリッドにやってきた。そして日曜日まで、シャポバロフとポシピショルがカナダの全試合をプレーした。

 スペインはグループ戦でクロアチアとロシアを倒し、準々決勝でアルゼンチン、準決勝ではイギリスを退けて決勝に進んでいた。

 この新しいデビスカップは、国際テニス連盟(ITF)と、ピケが創始者のひとりである会社「コスモス」との間の25年契約という長期間のパートナーシップの産物だった。新デビスカップは、かつてのように一年にわたり4つの週末に一国対一国で対戦する代わりに、18ヵ国が一週間の間に同じ場所に集ってプレーする形をとる。

 大会は来年もマドリッドに戻ってくる。

(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)

MADRID, SPAIN - NOVEMBER 24: Rafael Nadal of Spain and team mates celebrate with the trophy following victory in the Final between Spain and Canada during Day Seven of the 2019 David Cup at La Caja Magica on November 24, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Alex Pantling/Getty Images)

最終更新:2019/11/25(月) 17:05
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