ここから本文です

「身も蓋もない真実」を直視せよ…長期投資成功のプロセス

11/26(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

短期でも長期でも、「投資」には必ずリスクが伴います。しかし、多くの人はリスクを軽視して大きなリターンを狙いに行き、大切な資産を目減りさせてしまいます。では、甘い見通しを持つことなく資産を着実に育てるには、どのような視点が必要なのでしょうか。本記事は、一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が、長期投資成功のポイントを解説します。

「お金は短期的には増えない」という真実

ここ数年、資産形成や資産運用への関心が高まっています。終身雇用制の崩壊や年金問題、長生きリスクなど、生活を支えるお金にともなう不安はもちろんですが、同時に、グローバル化やIT化の進展によって、以前よりも投資情報の取得や金融商品の購入が容易になったことも、理由のひとつではないでしょうか。

しかし、どんなに金融商品が身近で手軽なものになったとしても、決して忘れてはならないことがあります。それは「お金は短期的には増えない」という真実です。

同時にまた、投資でいうところの「短期」「長期」という期間の定義も、明確にしておかなければなりません。この定義をあいまいにしたまま「長期投資は短期投資よりも有利」「長期投資は短期投資よりリスクを低減させる」などといった話を耳にしたところで、内容を正確に理解することはできないからです。

本記事ではまず、「短期投資」「長期投資」の定義を明らかにしたうえで、解説を進めたいと思います。

筆者は、短期投資・長期投資の定義を次のように定めています。

[短期]5年まで

[長期]20年以上

※5年以上20年までは「中期」となりますが、あえて「中期投資」のような定義付けはしません。

まず、短期投資を5年、長期投資を20年以上と定義する理由ですが、これは筆者の長年にわたる資産運用業界および資産形成の定性的経験に基づいています。加えて、「短期」というのは、その期間で結果を出すのが難しい、つまり、リスク資産に投資してプラスの運用収益を獲得できる確率が低い時間軸のこととします。一方、長期はプラスの運用収益を獲得できる確率が高い時間軸のこととします。

さて、5年という短期の時間軸でプラスの運用収益を着実に獲得するには、この期間のなかで高い確率でプラスリターンを計上できる資産である必要があります。

リターンには利子所得(インカム)、値上がり益(キャピタルゲイン)の2種類がありますので、双方のリターンがプラスであればいいわけです。その観点で考えると、次の金融資産がその投資対象となります。

(1)預貯金

(2)国債(個人向け国債)

正直、利息がほとんどつかないので「つまらない」金融資産ですが、5年という短期で着実にプラスにするという意味では、これくらいしか選択肢はありません。

読者のなかには、「いや、そんなことはない。株式だってうまく選べば2倍になるよ」という方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら、企業業績の浮沈は日常茶飯事で、決められた期間で株価動向を当て続けるのは、人間であれAIであれ、ほぼ不可能です。もっとも「大数の法則」により、ごくわずかな方が大儲けしているのも事実で、多くの方はこの希少事例に自己投影するわけです。そしてほとんどの場合、道を誤ることになります(筆者も経験あり)。

不動産投資も、短期投資には向きません。

自己資金が100%ではない場合、まず資金を借り入れ、物件を購入して賃貸に出すことになります。大雑把に申し上げると、まずは賃料が元利返済金に回ります。よくて収支トントン、給与所得とマイナス不動産所得を通算して所得税還付を狙えたとしても、減価償却勘案後5年で売却して値上がり益を狙える物件は、そうそうあるものではありません。借入金が減ってきて、売却時にようやくプラスが出るのは10年程度の時間は必要でしょう。

その他、金投資や太陽光発電といった投資対象もありますが、利息がつかなかったり、そもそも20年程度の期間で収支を考える商品だったりするため、「5年」という決められたタイムスパンで結果を出すのは難しいと考えられます。

1/2ページ

最終更新:11/26(火) 8:00
幻冬舎ゴールドオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事