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17歳少女が「知らない中年男性」と同居する事情

11/26(火) 5:30配信

東洋経済オンライン

「Yahoo! ニュース|本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」にノミネートされるなど、大きな話題となった『東京貧困女子。』で、都会の暗部をあぶりだした中村淳彦氏。

最新刊『日本の貧困女子』では、急速な人口減少と、高齢化で消滅の危機が叫ばれている地方に住む貧困女性の実情に迫る。そこから見えてきたのは衰退途上にある日本の未来の縮図だった。本著から一部を抜粋し、加筆、修正して掲載する。

■フィリピン人の母親に捨てられ、親権者にウザがられ

 群馬県在住の百合奈さん(仮名、17歳)という未成年の女の子に会った。

 SNSで知り合った子で、メッセージには「悩みがあります。けっこうツライ状況です」と書いてあった。

 子どもの貧困やネグレクトがキッカケとなるパパ活や違法風俗勤めなど、非行少女を想像していた。しかし、待ち合わせ場所に現れたのは、理知的でまじめそうな華奢な女の子だった。まだまだ幼さが残り、女子中学生といった印象だ。

 17歳には見えなかった。

 最初に伝えておくと、百合奈さんが非行に走っているわけではなく、彼女の母親が不倫や不貞行為を繰り返し、彼女は人生を振り回されていた。

 「先日、お母さんに親権を切られてしまいました。もうどうしていいかわからないし、本当にショックだった。けど、なんとか生きていかなければならない。今はある男性の家で暮らしています。まさか実の子どもの親権を切るとは思わなかった」

 われわれを見るなり、みるみるうちに泣き出してしまった。未成年児童ということで民生委員の真理子さん(仮名)にも同席してもらった。民生委員とは、非常勤の地方公務員であり、住民の相談に応じて自治体との橋渡しをする。

 百合奈さんはかわいいハンカチで涙を拭っている。落ち着くまで待ち、いったい何が起こっているのか聞く。見た目ではわからなかったが、彼女はフィリピン人と日本人のハーフ(母親がフィリピン人)で、学年でいえば高校2年生の年齢だった。

 「とても高校に通学できるような状況じゃなくて、1年生のときに中退しました。去年です。半年前に母親に親権を切られて、今は知人男性の家で暮らしながら1人で生きていける資格が欲しくて美容室で働いています。すごく長時間労働ですけど、月給は6万円しかもらえなくて、本当にギリギリの生活です」

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最終更新:11/26(火) 5:43
東洋経済オンライン

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