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韓国「GSOMIA維持」の裏側、対日シナリオ崩壊と米国頼みの“万事休す”に

11/27(水) 6:15配信

ダイヤモンド・オンライン

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄が6時間後に迫った11月22日午後6時。韓国大統領府は、「日本の輸出管理規制措置を巡る日韓協議が続く間」という条件付きで、日韓GSOMIA破棄通告の効力を停止した。

 韓国の終了通告から3カ月。韓国の文在寅政権は曺国法相の辞任を契機に対日関係改善に乗り出したものの、日本との呼吸が合わず、状況は二転三転した。

 最後に日韓双方に「引導」を渡したのは米国だった。

● 「失望を何度も言わないで」 米国務次官に康韓国外相

 11月に入り、GSOMIAの失効期限が近づくと米国政府の韓国に対する働きかけが本格化した。

 まず訪韓したのは、スティルウェル米国務次官補だった。

 11月6日午前、韓国外交省で康京和外相と会談した。スティルウェル氏が「GSOMIA破棄を撤回しない韓国に失望した」と、改めて米国政府の考えを伝えると、康氏は「失望する、失望すると何度も言わないでほしい」。苦悶と困惑の表情で返した。

 スティルウェル氏は午後には、GSOMIA破棄を主導した韓国大統領府の金鉉宗国家安保室第2次長とも面会した。

 スティルウェル氏が繰り返し、GSOMIA延長を求めると、金氏は「文大統領は8月15日の光復節演説で日本を批判しなかった。李洛淵首相も日本に派遣した。それなのに、日本は何も対応しないではないか」と反論した。

 韓国側がかたくなな姿勢だったのは、この2日前、11月4日にバンコク郊外で行われた日韓首脳の「対話」の結果が尾を引いていた。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国による首脳会議の控室にいた文在寅大統領が、遅れて入ってきた安倍晋三首相をソファに誘った。事前の調整のない電撃的な対話だった。

 元徴用工判決問題以降、関係が冷え切っていたなかで、韓国側が話し合いの糸口をつかもうとしたものだ。

● シナリオが狂った韓国 輸出規制撤回に期待

 文氏はこの対話で、日韓の諸懸案を話し合う高官協議の開催を持ちかけた。

 ここで、安倍首相が「うん」と言ってくれれば、それを名分に、輸出措置の撤回に向けた動きが始まったとして、「大局的に考えて、GSOMIAを延長する」というシナリオだった。

 大統領府は、安倍首相が、10月24日、訪日した李洛淵首相と21分間にわたって会談したことに心証を良くしていた。同時に、自らが打ち出した「日本が輸出管理規制措置を撤回すれば、韓国はGSOMIA延長も検討できる」という原則に苦しんでいた。

 文政権の売り物は「原則(ウォンチク)」だ。

 国際社会が制裁を続けるなかでの北朝鮮への融和政策や、経済界が反発する最低賃金の大幅な引き上げなどの大胆な政策も、「目先の利益にとらわれない」基本原則がきちんとしていればこそだ。

 無原則な政策変更をすれば、保守・野党勢力に格好の攻撃材料を与え、一方で有権者の3割とも4割ともいわれる文政権の「コンクリート支持層」の離反を招く。

 そのことを意識して、対日関係改善についても、従来の原則が表向きは守られる形で妥協する「名分」を探ろうとしたのが、バンコク郊外での日韓首脳対話だった。

 だが、韓国側が一方的に考えたシナリオは簡単に崩壊した。

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最終更新:11/27(水) 10:45
ダイヤモンド・オンライン

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