ここから本文です

前立腺肥大治療薬 副作用で脳梗塞発症したケースも

11/28(木) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 あなたの健康を守るはずの「薬」が、かえって命を脅かすケースがある。銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏が警鐘を鳴らす。

【一覧】要注意リスト

「広く使われている薬のなかにも、『命にかかわる副作用』が出ることはあるのです」

 医薬品の副作用は、薬が病院や薬局に納品される際についてくる医薬品添付文書に記載される。しかし、発売後の薬を服用した患者に副作用が出た場合、その薬を製造した製薬会社や医師などが厚労省に報告しなければならないと法律で定められている。

 その情報は所管のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が精査して、必要に応じて国が添付文書の改訂を製薬会社に指示する。一連の副作用が疑われる症例に関する情報はPMDAのホームページに公開されている。

 50歳以上の男性の約3割、70歳以上の約8割は前立腺肥大とされる。そうした男性が注意すべきは、泌尿生殖器官及び肛門用薬(前立腺肥大治療薬)の「ザルティア」を飲んだ後に脳梗塞を発症した例があることだ。

「仮説ですが、薬効のメカニズム的にあり得ます」と指摘するのは長澤氏。

「ザルティアは前立腺肥大を解消する効果とともに下半身などの一部の血管だけを広げます。この時、広がった血管にあった血栓が血管の広がっていない脳まで流れていき、脳梗塞を引き起こした可能性があります」(長澤氏)

 胃痛などに使う消化性潰瘍用剤(胃薬)でも重い副作用が生じかねない。

「強力に胃酸を抑えることで胃の消化力が弱まり、栄養障害、食中毒となる怖れがあります。また『H2ブロッカー』と呼ばれる胃薬を飲むと、まれに認知機能の低下やせん妄、幻覚などが生じる可能性もあります」(松田医院和漢堂の松田史彦院長)

 PMDAのデータベースには、胃薬「ガスターD」を服用した70代男性が「狭心症」を発症したとの報告がある。心臓が酸素欠乏を起こすことで胸への痛みや圧迫感などが生じる疾患だ。

※/表は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する「副作用が疑われる症例報告に関する情報」データベースに掲載された、副作用・有害事象が疑われる症例報告から、薬剤師・長澤育弘氏監修のもと事例を抜粋(同じ有効成分の薬における症例を含む)。同データベースの死亡例には調査の結果、薬との因果関係が認められないものも含まれるが、それらは表には掲載していない。掲載した医薬品は、長澤氏協力のもと、中高年世代が副作用に注意すべき薬の分野を限定した上で、厚生労働省「第4回NDBオープンデータ 内服薬 外来(院外)」(2017年4月~2018年3月)から、60歳以上男性への処方量が多い上位145の薬を掲載した(PMDAに報告された症例がない薬を除く)。
※1/添付文書に掲載されていない有害事象が発症した事例。
※2/2017年6月16日付で名称を『ニコランジル錠5mg「トーワ」』に変更。
※3/2018年6月15日付で名称を『フロセミド錠20mg「武田テバ」』に変更。
※4/2017年8月15日付で名称を『クエンメット配合錠』に変更。

※週刊ポスト2019年12月6日号

最終更新:11/28(木) 7:00
NEWS ポストセブン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい