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追悼木内みどりさん 脱原発で広がった人の輪〈週刊朝日〉

12/1(日) 8:00配信

AERA dot.

 映画やドラマで活躍した俳優の木内みどり(本名水野みどり)さんが11月18日、急性心臓死で亡くなった。69歳だった。21日にウェブサイト「木内みどりの小さなラジオ」で訃報が伝えられた。

 木内さんは劇団四季を経て、ポーラテレビ小説「安ベエの海」(TBS系)でブレーク。大河ドラマ「徳川家康」(NHK)や映画「死の棘(とげ)」などで俳優としてのキャリアを重ね、バラエティー番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)にレギュラー出演し、幅広い世代に親しまれた。

 木内さんには俳優やタレントだけでなく、“運動家”としての顔もあった。2011年の東日本大震災以降、脱原発や戦争反対を訴え、ラジオやSNSで発信し続けた。今年7月の参院議員選挙では、「れいわ新選組」の街頭演説で司会を務めた。代表の山本太郎氏は、SNSで「はやすぎる。寂しいじゃないですか! 世の中が変わって行く姿を見て欲しかった」と木内さんの死を悼んだ。

 木内さんは脱原発の市民集会でもたびたび司会を務めた。木内さんが夫婦で首相官邸前の市民集会に来ていたところを、「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」の呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんが声をかけたという。

「木内さんは柔軟さがあって、コミュニケーションのとり方がすばらしい。(司会進行は)いつも任せっきりで、注文をつけたことはありません。謝礼も一度もお渡ししませんでしたが、本当に熱心にやっていただきました」(鎌田さん)

 事前に集会の登壇者の簡単な情報だけ伝えると、木内さんは自ら調べて当日は丁寧に紹介してくれたという。さらに、関連本も読み込んでいたそうだ。

「芸能界から運動にお呼びした中で、俳優の女性はおそらくただ一人。木内さんのおかげで堅い運動が柔らかくなっていき、輪も広がりました」(同)

 鎌田さんが最後に木内さんに会ったのは、亡くなる2カ月前。東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発全国集会」でだった。司会はもちろん、木内さんが務めた。

「活発で健康的、病気の話もなかったから、訃報には驚きました。木内さんの存在は本当に大きかった。寂しくなりますが、脱原発の日が近づいていると信じて、がんばっていきたいです。今までありがとうございました」(同)

 通夜・告別式は行わず、「後日、当HP(「木内みどりの小さなラジオ」)に皆様からお別れのお言葉を残していただける場所を設置させていただく予定」と掲載された。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日  2019年12月6日号

最終更新:12/1(日) 8:00
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