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「社会福祉法人」相次ぐ破綻…それでも会計監査「先送り」の違和感

11/28(木) 9:01配信

現代ビジネス

老人ホームの倒産が止まらない

 老人ホームや保育園などを運営する「社会福祉法人」の経営透明化に向けて導入が決まっていた「会計監査」の義務付けが、大幅に先送りされる見通しだ。

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 すでに大規模な法人(収益30億円超または負債60億円超)については義務付けが始まっているが、厚生労働省によると2万818ある社会福祉法人のうちの370と、1.8%に過ぎない。

 当初、2019年度からは「収益20億円超または負債40億円超」に対象が拡大されるはずだったが、「負担が重い」という業界の要望を受けた厚生労働省が2018年に通達を出して、導入を延期していた。

 このほど、自民党などとの調整で、適用拡大の時期をさらに2023年度以降に先送りする案を厚労省がまとめたことが明らかになった。

 社会福祉法人は社会福祉法の定めに従って厚生労働省が認可した公益法人で、非営利とみなされた事業には法人税や消費税、固定資産税が原則免除される。国の代行で市や県が業務内容や決算書をチェックしており、これまで潰れることはないとみられてきた。

 ところが、老人ホームなどを中心に、事業環境が大幅に悪化したことから、社会福祉法人でも破綻するところが出始めている。2018年12月には神奈川県で高齢者介護施設などを運営する社会福祉法人「大磯恒道会」(大磯町)が、東京地裁に破産を申し立て、業界に驚きが走った。負債額は6億4400万円だった。

 帝国データバンクの調べでは、2018年の老人福祉事業者の倒産件数は83。ここ3年ほど高水準が続いている。多くが株式会社や有限会社形態だが、一般社団法人やNPO法人、社会福祉法人などが含まれていた。

 独立行政法人福祉医療機構が2017年度の経営状況を調査したところ、回答した6930の社会福祉法人のうち、24.8%に当たる1716法人が赤字だった。赤字の社会福祉法人の比率は2015年度21.3%、2016年度23.2%と年々上昇しており、経営が厳しさを増していることを示している。

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最終更新:11/28(木) 9:01
現代ビジネス

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