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日本人の嫌いなアレと上野千鶴子発言~米ドラマ「SUITS/スーツ」|夜のオネエサン@文化系

11/29(金) 16:00配信

幻冬舎plus

NYでも指折りのローファーム、トップは黒人女性

結婚前のメーガン妃がメインキャストで出演していることでも話題だった米ドラマ「SUITS」が東京人の私にとって面白かった要因の一つは、日本が思想的な面で追いかけがちな米国でも、嫌われる差別と嫌われない差別があるいというのがよく描かれていて、その様相が日本人の好き嫌いとはまた別の構造に基づいているからだ。 


NYの超敏腕かつ超金持ちかつ白人イケメンの企業弁護士と、その弁護士に気に入られて弁護士資格がないのに弁護士として働くことになる天才的頭脳の不良白人イケメンのコンビが、数多の危機を乗り越えながら絆を深めていく同作のメインキャストたちは、NYでも指折り、「ハーバードロースクール卒限定」のローファームに勤めている。

主演二人の他に、同ファームのトップである黒人女性弁護士、イケメン弁護士をライバル視するユダヤ系ブサイク弁護士、超敏腕弁護士が心から頼りにする世話役秘書、父が有名弁護士で自分にもその実力があると信じるパラリーガル(←ちなみにこれのキャストがアフリカ系の血を引くメーガン妃)。

トップが黒人女性なのはいかにも今の米国らしいところで、米国留学経験者だったり帰国子女だったりする日本の女性が「米国では企業の役員にどんどん女性が採用されている」「米国では性別人種の区別なく実力が評価される企業こそ成功する」という発言をするときに想定するのが、このあたりの側面でもある。

実際ドラマの中で彼女が発する台詞を参照しても、「(自分の前のファームのトップは)私がオフィスに入るときにお尻を触ってきたり、黒人であることを指摘してきたり、1950年代に生きているかのような下等な人間だった」とか、「前の経営陣の中に、黒人女性の私を実力ではなくファームの多様性をアピールするために採用したと言うようなヤツもいた」とか、実力のあるエリートが人種や性別によって差別されることのナンセンスさを強調する場面は多い。

実際に統計を見ると、トップが女性の米国企業は今でも5%程度と言われていて、役員などでの女性活躍は欧州企業の方が目覚ましく顕著ではあるものの、米国でも一部の州で企業のクオータ制採用が可決されたり、投資家団体が企業役員の女性比率を30%に引き上げる働きかけをしたりと、男女格差の是正に取り組んではいる。さらに人種問題は、かねてから多様性と自由を売り物にしたい米国のお家芸的取り組みだし、日本よりも差別撤廃に熱心であるというのは納得できる事柄ではある。

というか米国エリートは元が白人男性天下なので、本気でやらないと二重にも三重にも偏重が大きいという事情がある。そもそも禁酒運動の盛り上がりで禁酒法とか作っちゃう極端な国民性が、アファーマティブアクションやセクハラ運動など副作用やむなしの極端な荒治療を良しとしている側面も絶対ある。

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最終更新:12/3(火) 11:05
幻冬舎plus

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