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ゲノム編集で「DNAを手術して病気を根治する時代」とうとう現実に

11/29(金) 11:01配信

現代ビジネス

クリスパー発明者が創業した企業による快挙

 ゲノム編集技術「クリスパー」を使って2種類の遺伝性疾患を治療することに、欧米の研究チームが成功した。

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 http://ir.crisprtx.com/news-releases/news-release-details/crispr-therapeutics-and-vertex-announce-positive-safety-and

 研究チームは「予後の経過を見極める必要がある」と慎重な姿勢を見せているが、それらの病気は治癒した可能性が高い。これまで歯が立たなかった難病を、遺伝子レベルで治療する新たな時代が幕を開けたとの見方が強まっている。

 2012年頃に米仏の科学者らによって開発されたクリスパーは、いわゆるゲノム編集技術の最新モデル。従来の「遺伝子組み換え技術」に比べて、桁違いに高い精度で生物のDNA(ゲノム、遺伝子の総体)を操作することができる。

 今回この技術を使って、スイスの医療ベンチャー「クリスパー・セラピューティクス」と米国のバイオ・ベンチャー「ヴァーテックス」が、2種類の血液疾患を対象にした新たな治療法を開発した。

 因みにクリスパー・セラピューティクスは、クリスパー共同発明者の一人、エマニュエル・シャルパンティエ博士らが創設した企業だ。

骨髄幹細胞を体外に取り出して遺伝子異常を修正

 治療対象となった2種類の血液疾患は「鎌状赤血球貧血」と「ベータ・サラセミア(地中海貧血)」だ。

 前者は世界全体に数百万人の患者が存在すると見られる遺伝性疾患で、特にアフリカ系の人たちに発症するケースが多い。酸素を運ぶ赤血球が「鎌のような形状」に変形することにより血液循環が阻害され、強度の貧血が起きて患者はしばしば突発性の激痛に悩まされる。身体への大きな負担から、平均寿命も短いと言われる。

 後者もまた遺伝性の希少疾患で、赤血球中にあるヘモグロビンの生成が著しく低下するため、患者は度重なる輸血が必要とされる。いずれの病気も従来の医療では根治不能で、症状を鎮める対症療法しかなかった。

 これらの難病に対し、前出のベンチャー2社は「CTX001」と呼ばれる新たな治療法を開発した。この治療法では、患者の骨髄幹細胞を一旦体外に取り出し、クリスパーでゲノム編集(遺伝子操作)して、(鎌状赤血球貧血やベータ・サラセミアなど)病気を引き起こす遺伝子異常を修正する。

 このように体外で修正された骨髄幹細胞を患者の体内に戻すと、これが正常な赤血球を生成することにより上記2種類の血液疾患は治癒することになる。

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最終更新:11/29(金) 11:01
現代ビジネス

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