ここから本文です

バスに大苦戦、特急「ふじさん」は生き残れるか

2019/11/29(金) 5:55配信

東洋経済オンライン

 東京都心から日帰りできるスポットとして内外の人気を集める富士山周辺。同地域の1つ、静岡県御殿場市は富士山の玄関口であるほか、箱根の裏玄関としての顔、そして「御殿場プレミアム・アウトレット」などを擁するまちとしても知られる。

【写真】かつて特急「あさぎり」として活躍したJR東海371系と小田急20000形RSE

 同アウトレットは2000年7月に開業した国内有数規模のアウトレットモールである。かつて小田急電鉄(小田急)が経営していた遊園地「小田急御殿場ファミリーランド」の跡地に立地する。

■「あさぎり」から「ふじさん」に改称

 御殿場の公共交通機関としては、主に鉄道とバスがある中で、鉄道アクセスの看板商品といえるのが、小田急新宿―JR御殿場間を約1時間40分で結ぶ特急「ふじさん」である。

 2018年3月17日のダイヤ改正前までは「あさぎり」を名乗っていたが、「ふじさん」に改めている。列車名改称の狙いについて、小田急電鉄CSR・広報部は「富士山方面へ運行していることをわかりやすくするため」と説明。さらに「従前は和名のみの運用だったが、増加するインバウンド需要を考慮し英名表記をしている」と英語名「Mt.Fuji」を付記した意図を付け加える。

 「ふじさん」は1955年10月1日に小田急新宿―日本国有鉄道(国鉄)御殿場間で運行を開始した気動車準急列車「銀嶺(ぎんれい)」・「芙蓉(ふよう)」を嚆矢とする。

 1991年3月16日、小田急とJR東海は専用車両である20000形RSEと371系をそれぞれ投入して、種別を特急に変更し、運行区間を新宿―沼津間に拡大。編成はグリーン車を2両をつないだ7両とした。

 JR東海にとってはJR東日本区間を経由せずに東京と静岡県東部や西伊豆の間の直結ルートを確保できるとともに、小田急にとっても特急ロマンスカーの行き先に箱根と江の島のほかに、西伊豆を加えることができた。

 小田急は特急「あさぎり」運行開始と同時に、沼津駅―松崎間でグループ会社の東海バスによる特急バス「スーパーロマンス」を投入し、西伊豆観光への誘客に努めた。このように小田急とJR東海の両社にとってメリットがあったことが、専用車両投入による特急昇格に結びついたと考えられる。

■不況が利用に影を落とす

 「あさぎり」の特急昇格が計画された時期はバブル経済による好景気に沸いた時期であった。しかし、同列車運行開始後に平成不況が進行し、「あさぎり」の御殿場線内の利用にも影を落とすようになる。

1/4ページ

最終更新:2019/11/29(金) 5:55
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事