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1口1万円も 手ごろになったリゾート会員権

2019/12/1(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

観光地での宿泊には温泉ホテルや観光ホテルが一般的だが、会員制リゾートホテルという選択肢もある。富裕層向けのイメージがあるが、お手ごろ価格で流通する会員制ホテルの会員権も多い。利用者が限られる安心感とサービスを受けられるのが魅力だ。

■格安でホテルに宿泊

日本リゾートクラブ協会(東京・渋谷)によると、会員制リゾートホテルの運営企業は全国で50~60社、リゾート施設は200~300と言われている。
最大の売りは格安に宿泊できることで、1泊3千~8千円と手ごろな価格設定が魅力だ。年末年始などの繁忙期でも一定価格で提供する会員制リゾートホテルが多い。
会員制リゾートホテルを利用するには各企業が発行するリゾート会員権を購入する必要がある。購入するには二通りある。ひとつ目は運営企業が新規募集した会員権を購入する方法だ。新築物件なだけに、価格は1千万円超の高額になることも多い。
流通市場から購入するのがふたつ目だ。リゾート会員権の所有者が売りに出した会員権を買い取る方法だ。新規物件の会員権より低価格で購入できることが多く、専門業者が仲介する。流通市場での会員権の価格帯は格安の1万~100万円から、中堅どころの100万~300万円、高額な300万~1千万円、さらには超高級な1千万円以上と幅広い。
施設が老朽化したり、高齢の会員が手放したりするため、低価格帯の取引が目立つ。リゾート会員権仲介のe会員権(横浜市)によると「2~3年前から100万円以上だった会員権が100万円未満になってきた」と話す。

■1口1万円の会員権も

1~10月の取引件数のうち100万円以下の低価格帯は全体の半数以上を占めた。「50万円程度の会員権も豊富で30歳代からの購入が増えている」(e会員権)という。

リビエラリゾート(神奈川県逗子市)が管理を受託する「逗子マリーナオーナーズ会」はお得感がある。バブル崩壊直前の1990年の会員権価格は1口300万~500万円で流通していたが、現在は1万~5万円だ。
逗子マリーナを利用しようとすると、会員権の購入費のほか、名義変更料で5万円、仲介の事務手数料で11万円、登記変更料で4万~15万円と、諸経費で20万~31万円かかる。ほかに毎年の年会費が約8万円かかる。
利用回数が多いと一般的なホテルを利用するよりもお得になる。有名観光地でリゾートホテルに宿泊すると、4人家族で一泊5万~8万円かかる。仮に毎年5泊する場合、2年間で50万~80万円だ。

■信用ある認定業者を選択
リゾートトラストが運営する「サンメンバーズワールドホリデー」のブロンズ会員なら、同条件で1泊9千~1万5千円(ルームチャージ)で、10泊分だと9万~15万円で済む。流通市場でリゾート会員権の取得にかかる初期コストと2年間の諸経費を含めると、50万~60万円ほど。2年以上利用すれば格安になる。
購入の注意点の一つは仲介業者選びだ。かつては会員権の業者が代金を集めて自己破産したケースがあった。現在は、例えば、リゾートトラストが運営する「エクシブ」の会員権を取り扱う仲介業者の場合、リゾートトラストの認定業者でなければ名義変更書類を渡さないなど対策がとられている。信用のある認定業者を選んだ方が無難だ。
もう一つは宿泊システムを確認することだ。東急不動産の「東急ハーヴェストクラブ」では年間30~36枚の宿泊利用券が発行されるので、事前に予約を取る必要がある。エクシブは年間の利用日数は13~26日で、利用日が指定されており、使わない日は会員間で交換できる。
日本生産性本部の「レジャー白書2019」によると、18年の会員制リゾートホテルの国内市場は3970億円と10年前に比べて4割増えた。
(江口剛)
[日本経済新聞朝刊2019年11月23日付]

最終更新:2019/12/1(日) 7:47
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