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アジアNo.1都市から陥落も…「東京」の弱みと強みを徹底分析

12/1(日) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ロンドン・NYと並ぶ国際競争力を持つ東京ですが、発展が著しいアジア圏においてはいつ他都市に追い抜かれるかわからないというのが現状です。東京が今後も発展していくためには、強みを伸ばし、弱点を克服することで総合力をアップさせていくことが重要です。※本連載は、『新・東京進化論』(幻冬舎MC)の一部を抜粋したものです。

発展のため、アジアにおける絶対的優位性を構築すべし

ロンドン、ニューヨーク、東京。これが世界の主要都市トップ3ですが、興味深いことに、それぞれ立地する地域が分かれている。ヨーロッパのロンドン、北米のニューヨーク、アジアの東京。

しかし、アジアにおける東京の地位は、ヨーロッパのロンドン、北米のニューヨークほど安泰ではありません。実は東京は、アジアのなかで終始ナンバーワンの地位にあるものの、アジア2位以下のシンガポール、ソウル、香港とのスコア差はそれほど大きくありません。

その理由は21世紀以降、アジア全体の都市力が向上しているから。今後、東京がスコアをガクンと落とすようなことがあれば、あるいは、シンガポールなどが急激にスコアを伸ばすことがあれば、その順位は容易に逆転してしまいます。東京がこれからも発展し続けていくためには、まず、アジアにおける地位を盤石にしておきたいところです。

そこで今度は、アジア他都市に対する、東京の強みと弱みをまとめてみました。それが図表1。方向性としては、強みを伸ばし、弱みを克服すればいいことになります。

東京がアジアの他都市に比べて優れている点、すなわち東京の強みは、まず「経済」分野の、「GDP」と「賃金水準の高さ」になります。東京は、GDP成長率こそアジアの他都市に及ばないものの、GDPそのものは極めて大きいのです。日本のGDPはアメリカ、中国に次いで世界第3位であり、東京都のGDPは約7200億ドルと、都市別でニューヨークに次ぐ世界2位。シンガポールやソウルなど、アジアの他都市の2倍以上です。この経済規模の巨大さは、東京の大きな武器になるはず。

また「文化・交流」分野では、「アーティストの創作環境」「歴史・伝統への接触機会」「美術館・博物館数」で、アジアの他都市を上回ります。東京は、アート作品のマーケットやアーティストのサポート体制が充実しているからです。また、「歴史・伝統への接触機会」はロンドンなどに比べれば少ないものの、アジア他都市に比べれば相対的に優位に立っています。美術館や博物館の数もアジアの他都市を圧倒しています。

「居住」分野では「総労働時間の短さ」、「環境」分野では「SPM濃度の低さ」、「交通・アクセス」では「公共交通の充実・正確さ」が東京の強み。ちなみに「SPM」とは、工場・焼却場・自動車などから排出される、煤塵(ばいじん)・粉塵(ふんじん)・PM2.5などの浮遊粒子状物質のことをいいます。

一方、アジアの他都市に比べて、東京の弱みといえるのが、まず「経済」分野の「GDP成長率」と「法人税率の高さ」です。東京はGDP成長率が低く、法人税率が高いので、企業にとって有利なビジネス環境とはいえません。

「研究・開発」分野では、「世界トップ大学」の指標でアジアの他都市に遅れをとっています。この指標は、イギリスの教育情報誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表している「世界の大学ランキング」がベースになっていますが、このランキングでは外国人教員比率や外国人学生比率が重視されるため、シンガポールや香港の大学のほうが、東京の大学よりどうしても高く評価されがちでもあります。

さらに「文化・交流」分野の「ハイクラスホテル客室数」も、以前からの東京の弱点。必要性がたびたび指摘されるものの、五ツ星クラスのホテル客室数はなかなか増えていかないのが現状です。

「環境」の「リサイクル率」「CO2排出量の少なさ」は、東京が特に悪いわけではないものの、現在の環境基準からすると、決して良いともいえません。「交通・アクセス」の「国際線直行便就航都市数」「国際空港へのアクセス時間の短さ」は、東京の長年の課題。直行便就航都市数や空港へのアクセスの点では、シンガポール・チャンギ空港や香港国際空港のほうが、羽田空港、成田空港より明らかに優れています。

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最終更新:12/1(日) 10:00
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