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上川隆也、俳優を続ける“原動力”は「ずっと芝居が好きだったということ。何も企まずにいたい」<Interview>

2019/12/1(日) 15:00配信

ザテレビジョン

テレビ朝日系では、上川隆也主演による人気刑事シリーズ「遺留捜査」の新作を2週連続でオンエア。11月24日の「遺留捜査新作スペシャル1」に続いて「新作スペシャル2」が12月1日(日)夜9時から放送される。

【写真を見る】“糸村さん”のトレードマークの斜めがけバック姿でポーズを取る上川隆也

本作の舞台は、日本三景の一つ・天橋立。元経済産業大臣の射殺事件と5年前の未解決事件に使われた拳銃が同じだったことにより、事態は思わぬ方向へ…。

今回も、上川扮(ふん)する風変わりな刑事・糸村が大活躍。“仲間”である村木(甲本雅裕)がピンチに陥った時、彼はどんな行動に出るのか。今までとはひと味違う一面が見られるかも…!?

WEBサイト「ザテレビジョン」では、いつもと変わらぬ佇まいで空気を読まない不思議キャラを体現している上川にインタビュー。

スペシャル版の見どころや糸村と村木の関係について語ってもらった。さらに、自身の映像デビューとなった作品にまつわる貴重なエピソードも披露する。

――今回のスペシャルは、糸村の良き理解者(?)である村木(甲本)に最大の危機が訪れるなど、見どころが満載!

台本を読んで、最初に思い出したのは2ndシーズンの第5話なんです。田中哲司さんが演じる同僚刑事・長瀬が亡くなるというシーンがあって。その後の糸村に大きく影響を与えた回だったなと今でも思っています。

今回の「新作スペシャル2」は、あの時に糸村自身が感じたことが、また大きく影を落とした作品という位置付けになるのかなと認識しております。

――珍しく糸村が感情をあらわにする場面も。演じる上で意識した点は?

2ndシーズンの第5話というのは、糸村が月島中央署に異動して来てまだ日が浅い頃のエピソード。月島中央署の面々と一緒に過ごした時間は、数カ月ぐらいだと思うんです。

そんな関係の中で、同僚の死を目の当たりにした糸村が何をしたのかということが描かれた回だったんですね。あの時の糸村は、それまでの彼ではない振る舞いを見せたような気がしました。

――糸村にそうさせたものとは?

いろいろ考えてみたんですけど、彼は自分に対する評価というものに全く興味がないんですよ。いつも飄々(ひょうひょう)としていられるのは、周囲からどう思われても構わないと思っているからなんです。

だからこそ、遅刻して怒られても気にすることなくいつもと同じように過ごすことができる。でも、そんな糸村も“仲間”のこととなると違う一面を見せると言いますか、今までにはない大きな変化が。

それが、同僚の死というエピソードだったのかなと思っています。なので、今回は村木さんが大変なことになった時に糸村はどうするのか。長瀬の時の思いなどをつらつら考えながら演じさせていただきました。

――今までとは違う糸村が見られそうですね。

これまでいろいろな形でお届けしてきたエピソードの中でも、またちょっと違う糸村になったという実感は間違いなくあります。

■ 上川「間違いなく大事な仲間」

――糸村にとって村木はどういう存在だと思いますか?

分かりやすく同僚であるとか気の置けない間柄という言い方もありますけど、たぶん「こういう人です」っていう説明はいまだにできないのではないのかなと思っております。

今回にしても、危機にさらされた村木さんの命に対して糸村なりの思惑はあったにせよ、自分にとって村木さんはこういう存在だったんだなという思いに至るような人でもないのかなと。

何一つ村木さんとの相対し方は変わらないですし、変わってしまったら糸村ではないんでしょうね。

二人の関係に影響を及ぼすような価値観の変化のようなものは起こっていないとは思いますけど、間違いなく大事な仲間だという認識は変わらず今まで通り過ごしていくような気がします。

――「遺留捜査」も2011年の連続ドラマ第1弾から数えてもう8年になりますが、上川さんは「映像デビュー」当時のことを覚えていますか?

はい。日本テレビさんの深夜ドラマ「コマクノキモチ」が僕の初映像作品です。脚本は三谷幸喜さん。水島かおりさんが僕の恋人役で、長塚京三さんが水島さんの父親役でした。このドラマは、ちょっと特殊な作品だったと記憶しております。

――どの辺が特殊だったんですか?

それぞれのキャラクターが面と向かってやり合うシーンが一切ないんです。お互いのコミュニケーションは全部電話。しかも、携帯電話が一般的に普及している時代ではないですから固定電話ですよね。

電話を通した会話が展開されるということで「コマクノキモチ」というタイトルがついているんです。

――作品のジャンルは?

会話だけでしかつながっていないからこそ行き違ってしまうズレを描くコメディー。

収録は終始自分の部屋で一人か、もしくは自分の同僚たちがいるぐらい。本来であれば会って話がしたい恋人役の水島さんや、二人の関係を面白く思っていない父親役の長塚さんの立ち居振る舞いを見ることができないんです。

それぞれが自分の家や部屋のセットの中でお芝居しているところを撮影。しかも、カット割りがなくて、物語の頭からお尻まで止めずに撮っていくんです。どこか演劇的な収録方法でした。

――初の映像作品ということで戸惑ったことは?

自分がいつも舞台でやっていた演技形態に似ていながらも、スタジオにはカメラが4、5台あって、自分の一挙手一投足が映されている。それに加えて最後までミスできないという状況だったので、とにかくドギマギしていた覚えがあります。

幸いにして、あまりリテークを出さずに済みましたけど、特殊な撮影現場として今でも記憶に残っている作品ですね。

――長年、俳優の仕事を続けてきて変わらない部分と、意識的に変えて行きたいと思っているところはありますか?

先に変えていきたいところからお答えすると…特に見当たらないですね。俳優という仕事を約30年続けていますけど、始めた当初の自分が今の自分のようになりたかったのかというと、そんなことは一切思っていませんでした。

その時の自分から今の僕を見て理想的かどうかは分からない。それぐらい何も考えていなかったんです。だからこそ、要らぬノイズのような思いを抱かずに芝居を好きでいられたのかなと思っています。

――あえて、目標を持たなかった?

こんなふうになりたいと思って、ある芝居をしないようにしたり、こんな芝居だけをしたりするような偏りを持ち込まないで済んできたように思います。僕が俳優を続けて来られた理由の一つは、ずっと芝居が好きだったということ。それに尽きますね。

――それは、これからも変わらないということですね。

今後も芝居を好きであり続けていくために、こんなふうになりたいとか、こんな感じの役者になりたいという、あるスタイルの中に自分を押し込めてしまうようなことになるのであれば、何も持たずにいようと。

芝居を好きでいながら、何も企まずにいたいと思っています。

――2019年も「遺留捜査SP」をはじめ、連ドラや舞台など、休みなく仕事をされているイメージがありますが、上川さん流の健康法は?

体力を維持するための運動法や健康法は特にないんです。だからといって、日々の撮影現場からの帰り道に己の身を鉛のように感じたり、翌朝の目覚めに思い悩まされることもありません。

若い頃、ある一定期間ですけど、自分の体をイジメ抜くだけイジメた時期があったんです。その基礎体力的なものが今の自分を支えてくれているのかもしれません。あとは、毎日の犬の散歩ぐらいです。

――食生活で気を付けていることは?

これもないんです(笑)。好きな物を食べていますし、お酒も普通に頂いています。食においては、これがないとダメというものがないんですよ。

こだわりもなければ偏りもない。「今日はこれが食べたい!」という思いもゼロではないけど、それほど強くない。本当に“適当”なんです。

だから、何が健康法なのか、正直なところ分かりません(笑)。

(ザテレビジョン・取材・文=月山武桜)

最終更新:2019/12/1(日) 15:00
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