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「白鵬」の“エルボー”に横審が苦言 特注サポーター使用で異種格闘技という声

12/1(日) 11:01配信

デイリー新潮

 大相撲九州場所千秋楽から一夜明けた25日、横綱審議委員会(横審)から取り口が見苦しいと批判された横綱白鵬(34)。史上最多の43回目の優勝を果たしたものの、遠藤(小結)に対する右腕から繰り出された“かち上げ”ならぬ“ひじ打ち”は、「もはや相撲ではない」と言われる始末……。

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 東京・両国国技館で行われた横審の定例会合では、矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)が、「張り手やかち上げは、ちょっとやり過ぎではないか。横綱として見苦しいと多くの意見が出た」と苦言を呈した。さらに、「43回の優勝は史上最高の実力者で大横綱になっていると思うが、名横綱と言われる存在になってほしい」と異例の要望をした。

 実際、九州場所15日の取り組みのうち、白鵬がかち上げ、もしくは張り手を使ったのは、10日にも及んでいる。

初日~北勝富士・右かち上げ。
2日~大栄翔・右かち上げをかけるも、大栄翔に読まれ空振り。押し出されて黒星。
3日~朝乃山・右から張り手。
6日~明生・左から張り手。
8日~玉鷲・左から張り手。
9日~琴勇輝・左から張り手。
12日~遠藤・左から張り手、右かち上げ、右から張り手。
13日~阿炎・左から張り手。
14日~御嶽海・右から張り手。
千秋楽~貴景勝・左から張り手。

「かち上げや張り手は、本来、大関以下が使う技で、横綱が10日も使っていたなんて前代未聞ですよ」

 と呆れるのは、ベテラン相撲記者。

「特に酷かったのが、12日目の遠藤との取り組みでした。立ち合いで白鵬は左の張り手。そして右のかち上げで遠藤の顔面をねらい、サポーターをこすりつけるように打っていた。さらに、また顔面をねらった右の張り手です。遠藤は戦意喪失したように腰砕けになって前へ落ちました。これはもう相撲ではないですよ」

異種格闘技

 白鵬の右手から繰り出すかち上げは、厳密に言えば「かち上げ」とは呼べないという。

「かち上げとは、腕を鉤状に曲げ、相手の胸板や顎の下をめがけて突き上げるように体当たりする技です。ただの体当たりでは威力がないので、腕を使うわけですが、白鵬は体当たりしていない。ひじで打っているだけです。プロレスのエルボースマッシュですよ。ひじ打ちは反則とはなっていませんが、グレーゾーンですね」(同)

 白鵬が右腕にサポーターをつけるのは、右ひじの古傷のせいだとされている。

「幕下時代に、ひじを故障していました。白鵬は、左手で上手を取り、右手で差す右四つですが、右手で差す時、腕を曲げずに差していた。これは棒差しといって、ひじを痛めやすいのです。それで、サポーターをするようになったのですが、3年ほど前から、そのサポーターが異常に硬くなった。しかも、2重に付けている。特注品で、それが今や“武器”になっていますね」(同)

 週刊新潮(2018年2月1日号)では、この特注サポーターについて詳しく報じている。一部を引用すると、

〈白鵬が使用しているサポーターの“ベース”になっているのは、あるメーカーの製品である。
「映像を見る限り、白鵬関は一般の方が膝にするサポーターをひじに装着している。使い始めたのは2、3年前からのようです。内側の物はウール素材で、色はオフホワイト。外側にしているのは強圧迫サポーターと呼ばれる物です」
そう説明するのは、そのメーカーの担当者。
「強圧迫サポーターは、つけている部分を強く締め付ける物で、力を入れやすくなり、添え木のような効果があります。素材はレーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン。ナイロンはかつて釣糸にも使われていた素材で、シャリシャリした手触りが出ます。顔に当たった場合、厚みがあるので、硬く感じるでしょうし、痛いと思います。また、繊維の編み目が比較的粗いので、こすれると摩擦で痛いはずです」〉

 それにしても、なぜ白鵬が“ひじ打ち”を多用するようになったのか。

「横綱が精神的にも体力的にもピークに達するのは27~28歳頃だと言われています。彼は29歳頃から張り手やかち上げを多用するようになりました。つまり、体力が落ちてまともな相撲では勝てなくなってきたからですよ。白鵬の立ち合いは、典型的な右四つですが、踏み込む時、以前のような力が出せなくなった。それで、張り手やひじ打ちで勝機をつかむようになったのです。脇が開いて差し込まれるという欠点もありますが、“特注サポーター”という武器を装着して、一撃必殺を狙ったのではないでしょうか」(先のベテラン記者)

 これでは、大相撲というより異種格闘技だという。

「朝青龍や日馬富士も張り手が得意でした。日馬富士の場合は、張り手というよりびんたに近かった。そういうモンゴル式の見苦しい相撲を完成させたのが白鵬といえますね。日本人が好む土俵の美学とは大きくかけ離れてしまいました」(同)

 来年の東京五輪まで現役続行したいと言っている白鵬。今年の43勝で自信がついたのか、2、3年後に50勝を目標に掲げた。エルボースマッシュで達成なるか。

週刊新潮WEB取材班

2019年12月1日 掲載

新潮社

最終更新:12/1(日) 11:01
デイリー新潮

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