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又吉直樹さんの読書論。「共感できる」を求める風潮に疑問

2019/12/2(月) 21:13配信

ESSE-online

普段なかなか本を読む時間がない人も年末年始の休みこそゆっくり読書をしたい…。そう考えている人も多いのではないでしょうか。

帰省、食費、お年玉…。増えがちな年末年始の出費を賢く抑えるコツ

芥川賞小説家であり、大の読書家として知られる又吉直樹さんに、年末年始におすすめの本や読書習慣を語っていただきました。

「多様な視点を受け入れられるようになる」のが読書の魅力

●ときと場所を選ばないのが本のよさ。同じ本をなん度も読むことも

新作『人間』を発表するなど小説家として活躍する一方で、「読書は食事や睡眠と同じような日常の一部。本を読まない日はない」と語るほどの読書家でもある又吉直樹さんに、本との向き合い方を聞きました。テレビでは観ない日がないほど売れっ子の芸人でもある又吉さん。忙しい日々のなか、どのようなタイミングに本を読んでいるのでしょうか。

「世の中にはいろんなエンタメがありますが、本のよさは場所も時間も選ばず、自分のタイミングで読み始められて、読み終われること。個人的には最初と最後の50ページは集中して一気に読みたいのですが、それ以外の部分は、コマぎれで読んでも楽しめる。移動時
などで5~10分でも時間があいたら、本を開いていますね」

読みたい本を選ぶときは、書店に行ったり、人からのおすすめを聞いたりとさまざま。ときには、同じ本をなん度も読むことも多いとか。そんな又吉さんが考える、読書の魅力とは?

「だれかが長年培ってきた考えや知識を吸収し、発展させられることです。たとえばとある人の話を聞いていて、『あ、これはあの本のなかで書いてあった考えの7割しか到達してないな』と気づくことがあるんです。どんな優秀な人でも人間ひとりの力には限りがあるし、とある研究を人の手も借りずに自分だけでやったとしたら、それで人生が終わってしまう。だから、先人たちが残した知識を本から吸収し、さらにそれを土台にして自分なりに考える。それだけで、人生がすごく立体的になって、楽しくなると思うんです」

●価値観が違う人間から学べることも多い

そして、本を読むことのもうひとつの楽しみは、多様な視点を受け入れられるようになる点だとか。

「昨今は、『共感しました』が最高のほめ言葉になっていますが、共感だけを求めて本を選ぶのはもったいない。もちろん、読書には自分が普段から感じている言語化できない言葉に出会い、共感するおもしろさもあります。でも、自分と全然違う考え方や発想を提示してくれて、自分の視点が増えていくのも、読書の楽しみのひとつじゃないかなと思いますね。それによって、いろんな人間がいるんだって学べます」

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最終更新:2019/12/2(月) 21:13
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