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覚醒剤で破滅した「中卒政治家」元葉山町議の後悔と「再生への道」

12/2(月) 10:01配信

現代ビジネス

 葉山御用邸や葉山マリーナで知られる神奈川県葉山町。このまちの風光明媚で上品なイメージを損なう問題がかつて発覚したのを、ご記憶だろうか。2016年2月17日、朝日新聞が夕刊社会面でその事件を伝えている。

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 「覚醒剤所持容疑、葉山町議を逮捕 神奈川県警」

 あれから3年10か月。覚醒剤取締法違反(使用・所持)で有罪となり、3年の執行猶予を満了したのが、元葉山町議の細川慎一さん(45)だ。彼は今、何をしているのだろうか。

 インタビューで分かったのは、「睡眠時間を削ってでもよい仕事をしたい」という過度の功名心に忍び寄る覚醒剤の恐ろしさと、元受刑者たちの支援に取り組む現在の姿だった。それだけではない。留置所にいる容疑者が反論できないのをいいことに、デマを寄せ集めて極端な「ダメ人間像」を作り上げ、関心を煽るマスコミの恐ろしさも露わとなった。

「ビッグになってやる」

 細川さんは横浜市の繁華街で生まれ育った。家庭は比較的裕福だったが、私立高校に入学して間もなく、父親が詐欺に遭って全財産を失った。高校を退学した細川さんは、「中卒」という学歴を背負ってバイトに明け暮れた。

 「ビッグになってやる」。思いは人一倍強かった。「政治家と親しくすれば良いことがある」という知人の言葉を真に受けて、政治関連の本を読み漁った。

 そんなある日、「細川が政治の勉強をしている」と伝え聞いた政治家秘書の幼馴染から「お前もやらないか」と誘いを受けた。22歳の時のことだ。

 以後、神奈川県選出の複数の国会議員の秘書を務めた。激務をこなしながら結婚をして、やがて長男が生まれた。

 地元秘書を務めた細川さんの役割は、なかなか地元へ帰れない議員に代わって、地域とのつながりを強化することだった。主要な町内会に頻繁に顔を出し、交流を深めた。もちろん「一票のため」だったが、町内会活動の重要性を知る機会にもなった。

 「ゴミ出しや清掃、恒例行事など、地域のために無償で働く縁の下の力持ちがこんなにいることを、私は知りませんでした。しかし、役員はどの地域でも高齢化していて、地域の絆は遠からず消滅してしまう。なんとかしたいと思うようになりました」

 そのためには「自分が地方議員か首長になって、地域の良さを守るしかない」と考えた。傍から見れば安直な発想にも思えるが、本気だった。

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最終更新:12/2(月) 10:01
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