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最新AIの「創造性の先」に求められる人材とは

2019/12/2(月) 5:00配信

東洋経済オンライン

 ここ数年、機械学習や深層学習の応用が進み、従来以上にAIの応用分野が広がった。と同時に、AIに対する認知も広がった。AIを活用するために必要な条件や得手・不得手に関しても社会的な共通認識は少しずつ浸透してきている。

 AIは既知の問題を解決するために、より確からしい情報を絞り込むことが得意な技術だ。しかし、昨今はコンピュータービジョンをはじめ未知の領域へと踏み込み、新しい価値を創造する領域でもAIを活用する動きが強まっている。

 これはほんの数年前までは予見していなかったことだ。深層学習だけでは解決できない領域を、コンピューターでどう問題解決しようとしているのか。また次世代のAIがビジネスの現場に導入されていくとき、必要とされる人材とはどんなスキルを持っている人物だろうか? 

 米スタンフォード大学、ミシガン大学で学び、ワシントン大学、台湾清華大学でAI研究を続けてきたAppier(エイピア)チーフAIサイエンティストのミン・スン氏に、AI開発の最新動向とAI時代に“ひと”に求められるスキルとは何なのかを聞いた。

■AIには「人間とは異なる創造性」がある

 「AIには創造性はない」

 人工知能に関する取材を過去に何度も重ねてきたが、少なくとも筆者はそのように理解してきた。しかし、ミン氏はAIには人間とは異なる創造性を組み込めると話す。

 AI技術は人間の脳の働き方をまねた処理アルゴリズムである人工ニューラルネットワークを用い、機械学習や深層学習をさまざまな形で取り入れられるようになり、AIは大幅に進化した。

 しかし、以前よりも「より確からしい結果」を得られる、いわば納得感があるAIが生まれはじめたとはいえ、現在のコンピューターに「創造性」といった類の能力がないこともまた、ここ数年で広く知識として知られるようになってきている。

 例えば、2015年に野村総研が「AIで代替されにくい職業」として芸術家や声楽家、俳優を挙げていた。だがNHKは11月12日の放送で、AI技術によって美空ひばりの歌声を復活させた。AI美空ひばりは年末の紅白歌合戦でも歌唱を披露することになっている。

 しかし、「過去にあった事例」に近いAIを作り上げることはできても、まったく新しい人格を作り上げ、広く共感をもたらす歌手や俳優をゼロから作ることはおそらく難しいだろう。アーティストの創造は極端な例だが、しかしもっとシンプルな領域でも、AIに共感能力がないことは明らかだ。

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最終更新:2019/12/2(月) 5:00
東洋経済オンライン

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