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子が親の顔色うかがうように 私の二の舞い避けたい

2019/12/2(月) 12:00配信

日経DUAL

最近、「教育虐待」の問題が広く知られるようになってきました。「いい大学に入れるように、勉強を頑張らせないといけないと思っていたけど…」「将来につながるスキルを身に付けさせたくて、子どもが小さい頃からいろんな習い事をさせているけど…」など、親としてのスタンスや子どもとの関わり方に迷いが生じることもあるかもしれません。

そこで、自身も教育虐待のサバイバーで3歳の女の子のママでもあるライター、本庄葉子が、コーチングの専門家であるNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんに教育虐待が起きるメカニズムや予防法、起きてしまったときのリカバリー法について根掘り葉掘り聞き倒しました。6回に渡ってお届けします。第3回は、子どもの「自分軸」を育てる方法です。

【ラインアップ】

第1回 遠方の私立小通学で頭痛体質 これも教育虐待?

第2回 親に自分軸があれば、子の心の痛みにも気付ける

第3回 子が親の顔色うかがうように 私の二の舞い避けたいが ←今回はココ

●親の意に沿おうとする気質の子もいる

本庄:親が良かれと思って与えようとする環境を、子どもは無条件に受け入れてしまうことが多々あると思います。実際、私自身はそうしてきましたし、3歳になる私の娘にも、少しその傾向があります。3歳だと、まだ自分で判断して行動するのは難しいので、つい「こうすれば?」など親である私自身が方向を示してしまいがちなのですが、「指示する親と、それを受け入れる子ども」という関係が定着してしまうと、ゆくゆくは、私の母のように子どもを支配し、教育虐待をする親になってしまうのではないかと思うと心配で……。

菅原さん:前回、親が「自分軸」を持つべきだとお話をしました(関連記事:第2回)が、もちろん親だけでなく、子ども自身に「自分軸」を持たせることが非常に大切です。子どもの中にも、いろいろな気質の子がいますが、本庄さんやそのお子さんのように、親の意に沿おうとしてしまう気質の子もいます。「イヤイヤ期」と呼ばれるうちは誰でも自分の意思を表明するのですが、だんだん「ママとはうまくやった方がいい」などと処世術を学習するようになり、結果、顔色をうかがってしまうようになるんですね。そういうお子さんの場合は、小さいうちから茶わんの色などささいなことでも選択させ、本人の意思が出るような対話を心がけることが大切です。

本庄:なるほど、あれは私の処世術だったのですね! 本人の意思が出るような対話というと、「あなたはどれがいいと思うの?」「どれが好きなの?」と、ひたすら本人の意思を確認する、ということでしょうか。

菅原さん:大まかに言うとそうですね。子どもに選択肢を示してあげた上で、どれがいいのかを本人に決めさせる、ということです。

 将来を考えさせる上でも、小さなうちからいろいろなところに連れていったり、いろんな人やものに触れさせてあげたりする、といった働きかけがとても大切です。「いい大学さえ行かせれば将来は安心」などというのは、根拠のない思い込み。今後はますますそうなっていくでしょう。こうした世の流れを受け、中学生のお子さんを持つ私の知り合いは、「子どもが中学を卒業したら、日本の伝統工芸の職人に弟子入りさせる」と話しています。いろいろな伝統工芸を見せていたところ、子ども自身が「職人になりたい」という意思を示したからだそうです。

 子どもは何に反応を示すか分かりません。私の孫もまだ5歳ですが、親が美術館など、あちこち連れ歩いた結果、モネの絵にすっかりはまってしまい、次はゴッホを見に行く、なんて言っています。面白い体験をたくさんさせてあげて、数多くの選択肢を示してあげることが、子どもの「自分軸」を育てていく第一歩になると思います。ただし、選択肢を示す上で、注意しなければいけない大事なポイントがあります。

本庄:何でしょうか。

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最終更新:2019/12/2(月) 12:00
日経DUAL

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