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無断キャンセルや店へのクレーム 罪に問われる「境界線」は?

12/3(火) 7:00配信

マネーポストWEB

 今年4月、池袋で旧通産省工業技術院の元院長(88)が起こした交通事故は、母娘が犠牲になったにもかかわらず、送検まで半年かかり「『上級国民』だから逮捕されないのか」と話題になった。

 しかし実際、一般市民でも全く同じようなことをしているのに“逮捕される”“されない”が分かれる場合がある。そこには、微妙な『境界線』があることを知っておく必要があるのかもしれない。

 忘年会シーズンを迎え、このニュースに冷や汗をかいた“幹事”もいるのではないか。今年11月中旬、東京・有楽町の居酒屋に団体予約を入れ「無断キャンセル」したとして、59歳の男が偽計業務妨害容疑で警視庁丸の内署に逮捕された。弁護士の鈴木淳也氏が解説する。

「今回は無断キャンセルそのものが問題になったのではなく、虚偽の予約で業務を妨害したことが問題とされました。逮捕された男は、被害に遭った居酒屋のほかに系列店4店にも同時に予約していた。明らかに来店する意思がなく、警察としては『同店に対する故意が立証できる』と判断し、偽計業務妨害容疑での逮捕に至ったのでしょう」

 鈴木弁護士によると、「来店するつもりで予約し、キャンセルを忘れた場合」は、偽計業務妨害罪は成立しないという。「故意の有無」が警察に認められるかどうかが犯罪かどうかを分けるのだ。

店へのクレームで「脅迫罪」

 購入した商品やサービスに不備があり、店側に文句を言ったり返金を求めたりした経験は、誰しも一度はあるだろう。先方の対応に納得がいかなければ、「責任者を出せ」と食い下がることもあるかもしれない。

 しかし、そうしたいわゆるクレーム行為で警察に逮捕されることもある。近年は顧客による企業などへの嫌がらせを指す“カスハラ(カスタマーハラスメント)”という言葉も浸透しており、企業から「悪質だ」と判断されれば警察に通報される事態を招く。

「クレーム行為で、例えば『ふざけるな』と怒りを表わしただけならセーフですが、『ふざけるな、ぶっ殺すぞ』と言えば脅迫罪が成立します。刑法222条に定められた脅迫罪は相手の〈生命、身体、自由、名誉又は財産〉に対して害を加えることを伝えた場合に成立する」(鈴木弁護士)

 さらに、「脅迫に加えて『金を払え』など財産の交付を求めれば恐喝罪、土下座など相手に義務のないことを行なわせれば強要罪」(同前)の可能性もあるという。

 消費者としてどんなに“正義”のクレームだったとしても、怒りに我を失い一線を越えた時点で犯罪行為とみなされるのだ。

※女性セブン2019年12月13日号

最終更新:12/3(火) 7:00
マネーポストWEB

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