起業家であり、ニューヨーク大学スターン経営大学院のMBAコースでブランド戦略などを教えているスコット・ギャロウェイ教授。
名前を聞いただけでは、ぴんと来ないかもしれませんが、ベストセラー『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(東洋経済新報社)の著者と言われたら、「あぁ、あの人ね」となる人も多いでしょう。
そのギャロウェイ教授の2冊目の著書が、『ニューヨーク大学人気講義 HAPPINESS(ハピネス): GAFA時代の人生戦略』(東洋経済新報社)です。
幸福や人生がテーマとは意表をつきますが、大学院でブランド戦略を教えていても、最後の3時間の講義は「幸福の計算式」をテーマとしたものなり、学生に好評だそうです。その内容をもとに1冊にまとめたのが本書になります。
幾つもの企業を立ち上げ、大学院の教授でもあるのだから、幸福の計算式もさぞや高邁というか一般人には手の届きにくい話かと思いきや…そうでもありません。
詳しくは本書を読んでいただくとして、ここでは実践につなげやすいエッセンスを紹介しましょう。
ワークライフバランスという言葉が登場して久しいですが、それとは真逆の「若いうちは働け」というのが、仕事に関する大きなアドバイスとしてあります。
ギャロウェイ教授は、「若いうちからバランスを最優先事項にするのは、天才でないかぎりいただけない。それでは経済的安定のはしごのてっぺんに到達するのは難しい」と言い、「とにかく努力、精一杯の努力をする」よう力説します。
そうすることで、人生で実り多い年代にバランスの取れた生活が可能になるからです。
実際、ギャロウェイ教授は、そういう信条で若い頃を生きてきましたが、「ただ、そこにはとても現実的な代償があった」とも。それだからでしょうか、後のページではお金で買える幸せに限度があることにも言及します。
そう、懸命に働いて、まがりなりにも経済的な安定を得ることは大切だ。しかし喜びと満足を与えてくれるものを知り、それらに時間やお金を使い始めよう。(本書32pより)
それは、料理でも、マウンテンバイクでも、自分が没頭できるものなら何でも。お金をたくさん費やすことなく、喜びを与えてくれるものを見つけることです。
ギャロウェイ教授は、「人生のほとんどの時間を、どうすればもっとお金を増やせるかばかり考えていた」ことを「間違い」だったと述懐しています。経済的安定を得られたら、すみやかにそうした喜びを見つけるのが大事なのです。
最終更新:12/3(火) 20:01
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