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「オリンピックの舞台で、目指すはファイナル進出」陸上競技選手・寺田明日香

2019/12/3(火) 12:01配信

Tarzan Web

決して一直線に進んできたわけではなかった。ただ、その道のりは彼女にとって必要不可欠だった。そして今、五輪への道を着実に歩み続けている。

2019年9月に行われた富士北麓ワールドトライアル2019。女子100mハードルで見事、日本新記録を樹立したのが寺田明日香である。タイムは12秒97。それまでの日本記録は、19年前に金沢イボンヌが出した13秒フラット。寺田は日本で初めて13秒を切ったのだ。

ところで、寺田はトップアスリートとしては、かなり変わった経歴を持っている。最初に始めたのは陸上競技である。08年から日本選手権の女子100mハードルで3連覇を飾っている。

ところが、12年のロンドン・オリンピックの出場を逃して翌年引退。まだ歳も若く周囲からはもったいないという声も上がった。しかし、その人々を驚かせたのが結婚・出産・育児で3年間のブランクを経ての7人制ラグビーへの転向である。ちょうどこの競技がオリンピックの種目に選ばれたことも、彼女の決断を呼んだ。ところが、以前やっていた陸上とはあらゆることが違っていた。

「代表に選ばれるかどうか、ギリギリの選手でした」と寺田が語るように、開花するまでには至らなかった。そして、再び陸上の世界に戻ってきて、今回の日本記録につながっていったのだ。寺田はまず、こう語り始めた。

「私は陸上をやめて、3年経ってからラグビーを始めました。そして、2年間でまた陸上に復帰した。いろいろ言われることはわかっていたし、実際、簡単な気持ちでラグビーをやるなとか、陸上復帰なんて甘いという言葉もありました。

だから、陸上に復帰するからには結果を出したいし、後悔したくない。まわりにどう見られようと、ずっと一緒にやってきたスタッフや仲間がいて、彼らがわかってくれれば、これまでの自分でいられるとも考えていました。だから、日本新記録に関しては、これは私だけのものではなくて、スタッフと一緒に作った記録だと思っています」

驚かされるのは、実に短期間で再び陸上の頂点に返り咲いた点だ。陸上に復帰したのは2018年の12月。そして、2019年6月に開催された日本選手権で3位に入った。8月には10年ぶりに自己ベストとなる13秒00の日本タイ記録。さらに、9月の日本記録の更新となるのだ。以前やっていた種目とはいえ、ここまで早くトップに上り詰めることができるとは。

「こうなるというイメージはありました。オリンピックまでにもう間がないし、早い段階で12秒台は出さないとダメだと思っていました。いつごろまでにどれぐらいの記録が出せればいいかも、あらかじめみんなと話していた。それが着実にできたということで、とくにびっくりということではなかったですね」

そして、ラグビーをやったことがプラスになった、とも寺田は言う。あの経験が、今、100mハードルに生きている、と。かたやコンタクトスポーツの雄、かたや個人競技の華。この2つが寺田の中では、しっかりと結び付いているのである。

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最終更新:2019/12/3(火) 12:01
Tarzan Web

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