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日本にも必要? 地元の個人商店を支援する「スモール・ビジネス・サタデー」

12/3(火) 18:52配信

ニューズウィーク日本版

──「ブラック・フライデー」と「サイバー・マンデー」に挟まれた土曜日

日本でも「ブラック・フライデー」や「サイバー・マンデー」がかなり浸透してきたが、米国と英国では、小規模の事業を支援する「スモール・ビジネス・サタデー」も広がりを見せており、行政が特別措置を導入して後押しをしているケースもある。

● 動画:「スモール・ビジネス・サタデー」の反響

「ブラック・フライデー」とはご存知の通り、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日(今年は11月30日)から始まるクリスマス・セールだ。「サイバーマンデー」は感謝祭後の月曜日(今年は12月2日)で、この月曜日にはオンライン・ショッピングをする人が増え、オンライン店舗の売り上げが突出するからだと言われている。

米国では2010年以降、この2つの日に挟まれた真ん中の土曜日を「スモール・ビジネス・サタデー」として、独立系の小規模小売店(サービス業も含む)がセールを行い、こうした店での買い物を推奨する動きがある。

日本でも、大型スーパーやデパートの進出により、個人経営の小売店が立ち行かなくなってしまう問題があるが、米国でも同じだ。そのため、個人経営などの小売店で買い物をすることで、地域に密着した小規模事業を守っていこうというのが「スモール・ビジネス・サタデー」だ。

米経済専門局CNBCによると、2018年には1億400万人が「スモール・ビジネス・サタデー」当日に独立系の小売店で買い物をしたり飲食店を利用したりし、178億ドル(約2兆円弱)を消費した。

■ ニューメキシコでは小規模店での買い物が免税に

「スモール・ビジネス・サタデー」はもともと、クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスが2010年、リーマンショックからの立ち直りを支援することを目指してスタートしたイニシアチブだった。小規模企業を支援するこの動きに賛同した米上院は翌2011年、正式にこの日を「スモール・ビジネス・サタデー」と定めることを全会一致で可決した(米連邦議会の立法情報データベース)。

こうしたこともあってか、行政がこのイベントを優遇して小規模企業の売り上げ増を後押ししている地域もある。

例えばニューメキシコ州の税務当局は、11月30日午前0:01~0:00まで、従業員が10人以下かつ主な営業拠点が同州内にある事業に対し、衣類や書籍、楽器、家具、ゲームなど幅広い品目について総収入税を免除すると発表した。

総収入税は事業に対する課税だが、同税務当局によると、これは通常、商品代金に上乗せするなどして購入者に転嫁されている。つまりこの措置により、小規模事業者は「スモールビジネス・サタデー」の日には免税額で販売できることになると同税務当局は説明している。

またペンシルベニア州第2の都市ピッツバーグでは、ピッツバーグ商工会議所が買い物客に対し「買い物パスポート」を発行。「スモール・ビジネス・サタデー」に参加している10店舗へ行きパスポートに印をつけてもらえば、抽選で賞品をプレゼントするイベントを行った(KOAMニュース)。

一方で、さまざまな店が立ち並ぶピッツバーグの「ストリップ地区」では、駐車場管理当局が駐車料金を無料にして買い物客を優遇した(ピッツバーグ・カラント)。

なお英国では、「スモール・ビジネス・サタデー」は2013年に始まった。米国とは異なり、12月最初の土曜日(今年は12月7日)に設定されている。専用のウェブサイトは「スモール・ビジネス・サタデー」について、消費者に「地元での買い物」や「自分が住む地域にある小規模企業の支援」を奨励する、草の根の非営利活動だと説明している。2018年の「スモール・ビジネス・サタデー」には、8億1200万ポンド(約1150億円)が消費されたという。

松丸さとみ

最終更新:12/3(火) 18:52
ニューズウィーク日本版

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