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【階層別解説】エグゼクティブ、リーダー、スタッフそれぞれが持つべきマインドセット

12/3(火) 6:10配信

ビジネス+IT

 テクノロジーは、生み出すのも「人」なら利用するのも「人」だ。本格的なデジタル時代への転換期にある今日、IT部門やITベンダーはもちろん、経営層も含めたすべての企業人に、マインドセットの大転換が求められている。ITR 取締役 シニア・アナリスト 舘野 真人氏が、来たるべき時代に向けて、エグゼクティブやリーダーに求められる姿勢、人材像について提言した。

【詳細な図や写真】人とテクノロジーの進化の違い

●新時代のリーダーに求められる3つの姿勢

 「デジタル化」という言葉には、2つの意味合いがあるという。1つは既存のアナログデータをデジタルデータに変換するだけのデジタル化で、もう1つはデジタル技術によって、社会・産業・企業活動に変革をもたらすデジタル化だ。

 今日求められているのはもちろん後者であり、真のデジタル化を実現するためには、テクノロジーもさることながら、「その価値を引き出す人が重要だ」と舘野氏は語る。

 AIを見れば明らかなように、テクノロジーは今や指数関数的な進化を遂げつつある。しかし、人の意識は緩やか、かつ線形にしか変化しない。だからこそなおさら、今後はテクノロジーの進化に人がどのように対応するかが問われるというのだ。


「新時代をリードするエグゼクティブやリーダーには3つの姿勢が必要です。まずは、『前例がない、答のない世界に自ら飛び込み、進むべき道を探索する』こと。 次に、『変化を当然のものとして、問題が発生しても小さな段階で素早く対処できる』こと。そして、仮にこの2つの資質がなくても、『上記のような姿勢を備えた人を積極的に支援し、少なくとも邪魔はしない』ことです」(舘野氏)


●エグゼクティブに必要なマインドセットとは?

 新しい時代には新しいマインドセットの醸成も必要だ。それらは、大きく3つの要素から成るという。いくつになっても新しい学びに挑戦できる「知的資本」、異なる文化や価値観、環境の変化を寛容に受け入れることのできる「心理的資本」、組織やステークホルダーに影響力を行使できる「社会的資本」だ。

 舘野氏はまた、エグゼクティブ、リーダー、オペレーションスタッフそれぞれに求められる新しいマインドセットがあると主張する。


 たとえば、エグゼクティブに必要なのは「社会課題へのコミットメント」の姿勢だ。今日、これは企業経営にとって大きなテーマとなっている。

 2017年、経団連は企業行動憲章を改定し、国連のSDGs(持続可能な開発目標)を中核に据えた。また、中国のアリババグループも、科学技術で未来の問題を解決することを目指し、「達摩院(DAMO)」という先端技術研究機関の設立を発表した。

 エグゼクティブがこうした姿勢を持つべきなのは、それが採用活動にも影響するからだ。デジタルネイティブと呼ばれる若い世代は、社会課題解決への関心がほかの世代より高く、企業選びの指針の1つとなっている。

 「風通しのよい組織文化の醸成」は情報の透明性を意味する。舘野氏は「これは極端な例だが」と断りながら、3つの事例を紹介した。

 まず、Everlaneという米国アパレル企業は、自社が扱う商品の原価や輸送コストを明らかにした上で、価格をWebサイト上に掲載している。委託先生産工場の作業風景画像なども公開しており、それは「納得してご購入ください」というメッセージだ。

 Bufferという米国のクラウドサービス企業は、社員が世界中に点在し、全員がリモートワークをしていることから、全社員のステータス情報とともに、なんと全社員の給与リストや株式保有率、月間売り上げなどのデータまでも社内共有した。

 キャスターという日本のクラウドサービス企業は、会社の収支や全社員の給与を社員に共有し、希望すれば会社のミーティングすべてにリモート参加できるという。通常は明らかにされない情報を従業員や顧客に開示することによって、信頼を高めようとしているケースだ。

 舘野氏は、エグゼクティブに求められるマインドセットとして、さらに「自ら先進のテクノロジーを体感する」ことを挙げた。

「年代が上がるにつれて、LINE、インスタグラムなどの利用率は低くなる傾向があります。使い込む必要はありませんが、少なくともどんなサービスかはご覧になってください。まったく知らないようでは、新しい時代に正しい意思決定を下せません」(舘野氏)

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最終更新:12/3(火) 6:10
ビジネス+IT

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