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「LV」に激怒し「ドリス」に感涙 海外メディアのパリコレ賛否両論

12/3(火) 15:00配信

WWD JAPAN.com

2020年春夏パリ・ファッション・ウイークは、ここ数年重要視されるようになったサステナブルやエシカルのムードがさらに強まり、大きな地殻変動が起きたように感じた。8月末にフランスで開催されたG7サミットでケリング(KERING)が環境負担減を目的とした「ファッション協定(The Fashion Pact)」を発表すると、パリコレ会期中の9月25日にはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が環境とサステナビリティに関する新たな指針を表明した。ラグジュアリーファッション市場の二大企業の動きは、彼らが保有するブランドのクリエイションにも影響を与えたのだ。しかし、環境問題に対する真摯な姿勢が共感を得たとしても、必ずしもコレクション自体が評価されるとは限らない。

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"DIOR 「繰り返しに感じ退屈」「チームは見事な仕事をした」"

パリコレ初日、「ディオール(DIOR)」は森を再現したショー会場で、ムッシュ・ディオールの妹で庭師だったカトリーヌ・ディオール(Catherine Dior)が着想源となったコレクションを披露した。マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)がアーティスティック・ディレクターに就任して以来ミレニアル世代を引き付けて商業的に成長を続けてきたものの、今季はジャーナリストから少々厳しい評価を受けたようだ。仏ウェブメディア「ファッション・ネットワーク(FASHION NETWORK)」のゴドフリー・ディーニー(Godfrey Deeny)は、「ショーは、特にメッシュ素材によって、少し繰り返しているように感じ途中で退屈してしまった。それでもなお、サステナブルの宣言は、キウリとメゾンが正しい方向を向いていると保証するものである」とコメント。

「ヴォーグ(VOGUE)」の名物ジャーナリストであるスージー・メンケス(Suzy Menkes)は、「ディオール」のクチュール級の手仕事の素晴らしさを詳しくつづった上で、「実際のショーでは、作品は緻密だが出来栄えは微妙」と辛口だ。「キウリの大掛かりなショーで頻繁に見られるのは、独創的なシルエットのウエアをベースに、素材を替えるという手法。少し雑に言えば、今回は独創性は少し弱く感じ、ウエラブルで売りやすいアイテムの存在感が強かった」と続ける。それでも「ストローサンダルからガーデニングハットに至るまで、チーム・ディオールは見事な仕事をしている」とたたえ、バランスがとれたクリエイションを評価。「私たち見る側は“インスタ映え”する写真をスマートフォンに収めることに慣れ過ぎた。ファッションは顧客に向けてデザインされていたことを思い出すのには時間がかかるから」とコメント。豪華で見栄えがよく、演出的に優れたショーがたとえSNSでバズったとしても、肝心なのはコレクションの独創性とコマーシャルのバランスであるというメンケスの意見に筆者は賛成である。

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最終更新:12/5(木) 14:43
WWD JAPAN.com

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