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日本のカジノって結局どこにできるの? 再び動き出したカジノ問題 

2019/12/3(火) 15:50配信

週刊SPA!

国内外のIR事業者の動きについて

POKKA吉田:まだ最初の3箇所も決まってないから、理論上は予定の立てようもない段階よね。大阪は、2025年の万博前にIRやりたいっつうことで、2024年の開業を目指してるのよね。もともと大阪にラブコールを送っていたアメリカのラスベガス・サンズは横浜にシフトしちゃったけど、まだ大阪を狙ってる海外のIR事業者はどこなの?

木曽崇:元々、7社くらいが大阪に興味を示してたんだけど、今はアメリカのMGMリゾーツ・インターナショナル、ゲンティン・シンガポール、香港のギャラクシエンターテインメントの3社が残っています。とはいえ、バカでかい夢洲を開発するには他の候補地の比にならないくらい膨大な投資が必要ですから、いちばん資金調達能力のあるサンズが横浜に行ってしまったのは、大阪にとっては相当ショックでしょうね。

――――国内のIR事業者はどうなんでしょう。韓国・仁川パラダイスシティを運営しているセガサミーホールディングスは、国内ではノータッチですか。

木曽崇:外資がガッと参入してくる前はセガサミーが有力視されてたけど、正直今はもう話題にも登らなくなってますね。今メディアは「トランプの勅命で安倍首相が~」って、アメリカ事業者のことしか取り上げなくなってる。

POKKA吉田:参議院の本会議場で、山本太郎が「セガサミーとダイナムへの配慮か!」みたいなこと言ってたタイミングって、もうすでにサンズとかが乗り出してきた頃だったもんね。なんか世間様、とくに反対派のみなさんは、情報が一周遅れてる気はするよね。まぁ、国内企業を引き合いに出したほうがカジノ反対のメッセージが伝わりやすいから、わざとやってるのかも知らんけどね。

カジノ開業候補地の見通しは

――――ちなみに、日本のカジノ開業地の選定作業というのは、確定するのはいつですか。

木曽崇:早くて2021年の上半期。大阪が2024年開業を目指すのであれば、3年半で建てきらないといけないことになりますね。その場合、フルオープンは無理なので2025年の万博までに第1弾として部分開業して、万博が終わった後に建て増しをするというのがほぼ既定路線。9月に国から基本方針案が発表されて、そのなかには条件付きで部分開業を認めるという文言が盛り込まれたんです。あの発表は大阪にとっては本当にラッキーというか、頑張ってロビー活動をしたんだろうなぁと思う。

――――いまのところ話題に上がった候補地は、大阪、横浜(神奈川)、苫小牧(北海道)ですが、ほかの候補地はどうですか。

木曽崇:沖縄は現知事が反対派なので、その路線はほぼ消えました。長崎、和歌山もありますが、やはり頭ひとつ抜けているのは大阪ですね。カジノ推進体制は長年進めてきて政治的に推進で固まってるのは事実だし、国としても万博という大きなイベントを応援したい事情がある。大阪は事業者に対してインフラ整備の資金も要求していますが、他の土地でもそういう要件はそのうち出てくる可能性はあると思います。地下鉄の延伸とか、空港からのルートを作るとか。

POKKA吉田:苫小牧は空港のすぐ近くに作るって話やけど、大阪の夢洲っていうのは、行くのも大変やし、何もない、用事がなけりゃだーれも行かないような場所よね。「2008年のオリンピックを大阪で!」つって埋め立てたはいいけど、使い道がないっていう。

木曽崇:オリンピック誘致が決定する前に埋め立てちゃったんだよね。むっちゃ前のめりなのは、大阪らしいっちゃらしいけど(笑)

POKKA吉田:いえいえ……それは勝ち負けでいうたら負けたか知らんけど、勝ったときにものすごい利益が大きいっていう勝負に出たんかもわからん。でも今、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の集客がすごくて、外のコンテンツもガンガン入れて、イベントですごい攻勢かけてるので。ちゃんとした施設があるとものすごいポテンシャルにはなるはず。

――――シンガポールのリゾート・ワールド・セントーサにもUSJがありますもんね。ところで、開業地を選定するときに、地域的なバランスって考慮されるんですか。

木曽崇:もともとそうは言われてたんだけど、それを考慮しないというふうに公式に国が答えたんですよね(※特定複合観光施設区域整備法に係る説明会における質疑応答)。それで得するのは、大阪に隣接する和歌山もですが、たぶんいちばん喜んだのは関東の候補地だと思いますよ。なんせ、東京・千葉・神奈川が三つ巴の激戦区なので。「関東で2つというのは有りうるんだ」っていう。そうは言いつつ、蓋を開けてみたら結局バランスじゃん、っていう結果になるかもわからないけど。

POKKA吉田:京浜から京葉なんて、船で周ればすぐだもんねぇ。開業地の選定はどこが管轄しているんだっけ?

木曽崇:国土交通省に2019年の夏から新しく国際観光部ができて、そこが担当になったんですね。もともとカジノは内閣官房内に唯一の窓口があったんだけど、縦割りになっている各関係省庁の総合調整を重視していた部分もあって、逆に自治体・民間への対応に関しては多くの不満が聞こえてきていた。今回、国交省に区域選定の機能が分かれたことで対応が改善されて、自治体・民間からの評価は上々のようです。ここ数年、国交大臣は公明党のポジションになっているので、そのへんは自民党の政治的影響力が及び過ぎないようにうまくバランスをとれてるのかなと思いますよ。

 来年の今頃には整備区域も固まり出すことだろうか。どの権力が裏で糸引くのかにも想像を馳せながら、見守っていきたいところだ。

【POKKA吉田氏】
ぱちんこジャーナリスト。パチンコ業界紙『シークエンス』の発行人・編集長。近著に『パチンコが本当になくなる日』などがある。メーカーが主催するセミナーで講師も務めている。 Twitter:@POKKAYOSHIDA

【木曽崇】
国際カジノ研究所所長。日本では数少ないカジノ産業の専門研究者。近著は『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(’17年、光文社新書) Twitter:@takashikiso

構成/松嶋千春、野中ツトム(清談社)

―[POKKA吉田&木曽崇のギャンブル放談]―

日刊SPA!

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最終更新:2019/12/3(火) 15:50
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